鹿児島マラソンお疲れさまでした!
ランナーはもちろんのこと、応援された方々、運営側の方々も大変な一日だったと思います。
やはり暑さとの戦いでしたね(*_*)
そんな鹿児島マラソンのことを書いていきます。
お時間ある時にでもご覧ください(^^)
鹿児島マラソン2025
始まり
3時57分、パチリと目が覚めてスマートフォンの画面を開き、世界情勢を確認した。
世界は混沌としているようだ。
起きたらいつもはトイレに向かうところだが、窓を開けて気温と湿度を確認した。
「今日は暑い(熱い)戦いになるな…。」
そうつぶやきながらトイレに向かった。
今回は7時に荷物置き場で友人と待ち合わせをしていた。
落武者のメイクをして、かつらを被ろうとしたときに気付いた。
「アメリカで走ってから洗ってなかった…。」
やけにゴワゴワしており、落武者感が増していると思った。
とりあえずかつらをかぶって家を出た。
近所の人にばれないように、そそくさと走って会場へ向かった。
友人と合流すると、落武者姿を見て爆笑していた。
「写真で見たことはあるけど、生で見ると尚更ウケる!」
とのことだった。
荷物を預け、10人ほどで写真撮影をし、特製ドリンクを飲みながらスタート地点に向かった。
スタート!
身体の状態はすこぶる良かったが、とにかく気温と湿度がかなり高いと感じた。
最後にトイレを済ませ、スタート地点に並ぶと、そわそわしているうちにいつの間にかスタートの号砲が鳴った。
今回の目標は暑さを考慮して3時間15分前後、4分40秒/kmで走ることにした。
走り出しはテンションが上がっているので多少速くなっていたが、仙巌園までの13kmは楽に走れた。
しかし、やはり暑い。
2kmの時点でかなり汗が出ており、脚をつらないように水分補給を毎回必ず摂るように心掛けていたものの、20km前後で両ふくらはぎがつり始めた。
確かに慣れない靴で走っており、ピョンピョンと跳ぶような感覚があった。
それも相まって、ふくらはぎがつる原因になったのだろう。
水分補給をしっかり摂っていたものの、それが胃の中でポチャポチャ動き、横腹も痛くなってきた。
しかし、これまでの経験があるので、それくらいで焦ることはなかった。
落武者への声援
ここで今回の落武者への声援の数々を紹介しよう。
今年も尋常ではない数の声援をいただいた。
「また落武者が走ってる!」
「矢が刺さってるけど大丈夫か~!?」
「何あの人、やば~!」
などなど、毎年恒例の言葉が沿道から聞こえてきた。
しかし、今年はこれまでになかった声援があった。
「落武者~、今年もありがと~!頑張れ~!」
しかも、1人ではなく4~5人に言われた。
鹿児島のランナーにはかなりの認知度がある落武者だが、ついに一般市民への認知度も上がってきているようだ。
ありがたい限りだ。
落武者だからといってふざけて走ることは極力せず、真面目に落武者の姿で走ることがシュールで良いのではないかと思っている。
声援を受けても前を向きながら👍ポーズで応えるだけで、老若男女がキャーキャー言ってくれる。
まるでハリウッドスターのようにキャーキャー言われる。
毎年のことながら、極限の羞恥心との戦いだが、鹿児島マラソンが盛り上がってくれればそれでいいと思っている。
かつらの寿命が来ており、来シーズンまでこのかつらが持つかは微妙なところだが…。
続けられる限り続けていこうと思う。
姶良の地を鶴谷ターン
さて、マラソンの話に戻る。
両ふくらはぎをつりながらハーフ地点を過ぎ、少し走ると姶良の地に着く。
高架橋を登ると声援の数が一気に増えてくる。
毎年のことだが、ここからは口をなるべく大きく開けてきつそうな顔をして走る。
なんとも滑稽な姿に応援者はみんな笑っている。
その笑い声の中には、小さな子どもの恐怖する声も混ざるのが醍醐味だ。
ランナーだけでなく、応援に来ている人たちにも鹿児島マラソンを楽しんでもらいたいのだ。
一番盛り上がったのは折り返し地点だった。
駅伝マニアなら知っていると思うが、「鶴谷ターン」というターンの仕方がある。
それをやった瞬間、みんなが知っているのかどうかはわからないが、「ドッカーン!」とウケていた。
そのとき、隣にいたランナーから、「それやられたら、すべて持っていかれちゃうじゃないか! 最高だよ!」と褒められた。
マニアが知っているターンなので、誰も知らなかったらどうしようと思っていたが、そのランナーが知っていて安堵した。
去年は折り返し地点に定点カメラがあり、動画で確認できたのだが、今年はそれがなく、皆さんに紹介できないのが残念である。
そんなたくさんの声援を背に、折り返しの高架橋を駆け抜けた。
苦行の始まり
ここからは鹿児島マラソンの一番の楽しみであるハイタッチ区間だ。
折り返してくるたくさんの患者さんはもちろんのこと、知らない人とも力強くハイタッチをしながらお互いを鼓舞する。
手に熱いものを感じつつ、そのパワーが脚へと伝わっていく。
そんなこんなで30km地点を通過した。
いつもであればここから粘ってスピードを上げて走るのだが、脚がなかなか動かないし、両ふくらはぎがつっている。
確実に暑さの影響が押し寄せてきた。
給水所で一度歩き、呼吸と脚を整えてから再び走り始めた。
しかし、回復しない。
そこで、もう一度歩いて深呼吸をし、走り始めた。
2kmほど走るも、やはり歩いてしまった。
そこからゴールまで10回以上歩いた。
こんなに歩いたのは初マラソン以来だった。
そして、初マラソン以来の悪なる自分が出てきた。
「演技できつそうにしてるだけだろ!世界で一番きついのは俺だ!」
「頑張れじゃねーよ! 頑張ってんだよ!」
「コスプレして走ってんじゃねーぞ!」
自分が落武者であることも忘れ、心の中で悪なる光が叫んでいた。
そんな邪悪な光になってる中、患者さんが沿道で応援していた。
往路でも応援していた三世代での応援だった。
ちびっ子を驚かすとドン引きしていたので、少しだけ心が柔らかくなった。
ゴール!
その後も走ったり歩いたりを繰り返していると、ようやく仙巌園が見えてきた。
トンネルに入ると涼しくて心地よかったが、そこを抜けるとやはり暑さが厳しく歩いた。
遠くから「落武者~!」の声が聞こえたので、また走り始めた。
そこからは、まさに気合だけで走った。
長田陸橋手前の給水所で歩きながら水を飲み、再び走り出した。
陸橋を渡り切ると家族と患者さんがいた。
妻にわけのわからないことをして笑いながら走り去った。
電車通りに出ると、ビッキビキに両ふくらはぎがつっていたが、最後だけでもしっかり走り抜けようと思いスピードを少し上げた。
たくさんの声援を受け始めたので、また口を開けてきつそうな顔で走ると、みんなの笑い声が聞こえてきた。
すると、後ろから患者さんが声を掛けてきた。
薄情にも落武者を置き去りにし、颯爽と駆け抜けていった。
「俺が本気で走ったら余裕で追い越せるけど、今回は花を持たせてやろうじゃないか!」
などと、負け犬根性全開の声が喉元まで出てきたが、なんとか飲み込んだ。
「落武者です! 落武者が帰ってきました!」
今年もアナウンサーの方が、どこから言っているのかわからないものの、出迎えてくれながらゴールした。
完走した嬉しさや達成感よりも、「これで走らなくて済む」という思いのほうが強かった。
ネクスト!
着替えを終え、メイクを落として患者さんと談笑した。
また、別の患者さんと話しながらうどんを食べ、談笑した。
その方とお互いの来年の健闘を誓い合い、別れた。
トコトコ歩いていると、家族がランナーを応援していたので、一緒になって最終ランナーまで応援してから帰宅。
シャワーを浴び、ソファに寝転がったとき、初めて充実感に包まれた。
実にきつかった。
残り10kmがこんなに長く感じたのは久しぶりだった。
当たり前の話だが、歩くと時間がかかる。
そんなことはわかっている。
しかし、脚が動かないのだ。
走るだけ、それが難しい。
マラソンとは、実に奥の深い競技だ。
大会から数日経ち、軽くジョギングをしてきた。
実に気持ちよく、軽快に走れた。
折り返しで立ち止まり、桜島に向かって来シーズンへの頑張りを誓った。
「よし! また次も頑張るか!ネクスト!」

やっとで終わり!
以上で終わります!
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!
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