厳冬期北海道リヤカー隊を終えて~4日目~

2/8(木)
7:00すぎに出発!
綺麗な朝日が僕たちを見送ってくれた。
066

この日は峠超えが待っていた。
そして僕の心は粉々に砕かれることになる。

出発してすぐにコンビニに寄って朝ごはんを食べる。
その時に女子高生に写真を撮られてすこし照れる(笑)
この日は進んですぐに上り坂が始まる。
やはり上り坂では体力が続かない。
すぐに休憩をしてしまう。
でも上り坂は永遠と続く。
しかもカーブが多いため迂闊に休憩ができない。
やっとで下りに入るが、雪が積もっているためやはり引かないといけない。
だがこの雪がリヤカーのブレーキの役目になっているのでなんとも言えない感じが歯がゆい。
このときから、いやもっと前からだったと思うが雪を見たくないと思い始めていた。
そして一番つらかったのがリヤカーを追い越せない道幅の車道をダッシュした時だった。
僕たちの後ろに車が渋滞していく。
100~150mダッシュした所で空き地があり避けることができた。
150kgちかいリヤカーを引いてのダッシュはキツイの一言でその場に倒れるほどだった。
そこで軽いお昼休憩となったが調理器具の鍋が見当たらない。
確かにリヤカーに入れたのに見つからない。
もしかして途中で落としたのかと思ったが落ちるような場所に置いた記憶がない。
仕方なくお湯を飲んで休憩する。
お腹が空いてきたがここは我慢。
歩きだすとすぐにコンビニがあり一安心。
だがここで天候が急転する。
雪、風が吹き荒れる。
ここでまた足止めをくらう。
「もう雪なんか見たくない!」
始まって2日目から感じていたものが確信となった。
雪がこんなにも障碍になるものだと思わなかった。
雪を舐めていた自分がそこに居た。
けど歩かなければ前には進めない。
視界が晴れたのをみて前進する。
だが足裏のマメが思った以上に大きくなり歩くたびに痛みがくる。
マメごときで根をあげる訳にはいかない。
マメはケガではないと言い聞かせる。
しかし下りになったにも関わらずスピードが遅くなってくる。(この時マメ以外にも両足のすねの前が痛くなっていた。)
スピードが遅くなるとハーネスのロープが緩みハカセの足にひっかかる可能性があることから、僕ひとり歩いてついていくこととなった。
ただ歩いてついていくだけなのにリヤカーからどんどん離されていく。
自分のペースで歩けば良いと言われたものの離れると孤独感が増してなんとも言えない感じになる。
「僕をここに置いて行かないでくれ~!」
心のなかで何度も叫んだ。
もしかしたら口に出していたかもしれない。
スーパーなどでお母さんから置いてけぼりされる子どもの心境になったのかもしれない(笑)
その後は、なぜ僕は歩いているのだろう。足痛いな。雪邪魔だな。
色んな事が浮かんできたがついに頭が思考停止した。
とぼとぼ歩き宿泊予定の道の駅まで残り2kmとなったところで追いつき、たった2km引きことができた。
結局ハカセが7kmくらい一人で引いてくれた。
この重たいリヤカーを一人で引くとは人間ではないかと思ってしまった。

道の駅に着くと味わったことのない寒さに襲われた。
手が震えるとかの次元ではなく、体全身がぶるぶる震える。
気温はそこまで低いわけではないがとにかく寒い。
(目に力がない)
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暖かいドライフードを食べると少し和らいだ。
まだ寒ため暖かいトイレに逃げ込む。
そこで今後について話し合う。
僕の心は砕け散っていて今にもリタイヤしそうだったと思う。
しかし今までの人生で自分から辞めたいなど言ったことがなかったからかリタイヤの言葉は出てこなかった。
僕の体力のことを考えて詳しい話は明日にすることとなり、眠りにつく。
この足で歩けるのか弱気になる。
元気をもらっていたTwitterも見ることができなかった。
不安しかないまま目を閉じる。
眠れない夜が始まった。

5日目に続く・・・

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 長靴で山登りをすると、足の裏にマメができ、皮がめくれます
    長靴の中の「遊び」部分の影響です。
    マラソンでも、足と靴が合っていないと、力が地面に伝わらない。
    特にに防寒靴は厚みがあるので、なれない靴が悪循環して、モロに影響がでてしまいましたね。
     痛みの経験が今後の施術に役に立つ日がきますよ

    • アニメ師匠さん
      とても勉強になります。
      体験した事は決してわすれません。
      施術に活かせる日がいつか来ると思われるのでそのために精進します。

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