マラソンの走る以外のトレーニング方法

この時期になぜか春一番のような突風が吹いている鹿児島です!
梅雨がくるお知らせなら梅雨一番かもですね(゚∀゚)
数日前も激しい雷雨がきたりと、なんだか今年の夏は一波乱ありそうな気配です(・_・;
 
では本題です!
前回書きましたランニングによるアキレス腱の痛みに患者さんから質問がきましたのでその回答を書きます。
結構気になってる方がいらっしゃることだと思うので丁度良かったです(゚∀゚)
その質問文です。
 

これまで腕・肩回りなど上半身のトレーニングをほぼやってこず、
人からも「足はアスリートだけど、腕はヒョロガリだね」と言われておりました。
学生時代から、「苦しいときやラストスパートでは腕を振れ」と確かに意識はしていたのですが、ヒョロガリでも大きなデメリットを感じたことはありませんでした。(当時は体重も軽かったのでスピードが出たのかもしれません)
ハーフやフルマラソン以上の距離を志すにあたって、スピードも追及したい場合、腕・肩回りはどのようなトレーニングを組み込んだ方が良いでしょうか?ジムにおいてあるようなマシン等、もしくは自宅で腕立てやメディシンボールなどでも十分ですか?

 
この方は中学・高校と陸上で中距離(1500m)をされてました(中学は違ったかも!)。
ベストタイムは確か4分前後でした(忘れました!)。
とにかく、元々スピードが十二分にある方です。
今回の質問文を一つずつ読み解いていきましょう。
 

これまで腕・肩回りなど上半身のトレーニングをほぼやってこず

トレーニングをやらずに1500mをこれだけ走れたということは、もっと専門的にトレーニングを積んでいたら結果は違ったものになったでしょう。
しかし、実は走る以外のトレーニングのことをコーチや監督は知りません。
なぜなら専門外だからです。
良い例をあげると、箱根駅伝で無類の強さを誇る青山学院大学の監督として有名な原監督は補助トレーニングを外部の人に委託しました。
自分の専門外だからです。
もちろん一般の人たちより知識はあると思いますが、専門家に任せた方が良いと判断されて任せました。
補助トレーニングだけで選手たちが速くなったわけではありませんが、選手たちが変わったのは確実だったようです。
その補助トレーニングを見様見真似でしたところで残念ながら時間の無駄という人がほとんどでしょう。
 

ハーフやフルマラソン以上の距離を志すにあたって

この一文の回答は長くなりますがきっと役に立つと思います!
まず質問をします。
10kmの選手とフルを走る選手の場合、どちらが筋肉量が必要だと思いますか?
もしくは、どちらの選手の方が脚が太いと思いますか?
この答えを淡々と解説していきます!
 
ハーフとフルは全くの別物ですので同じに考えてはいけません。
根本的なことになるのですが、エネルギーの使い方が全然違います。
短距離・長距離の才能の差は筋肉だけでなく、エネルギーの使われ方もあります。
糖質エネルギーは瞬発的な動きで使いやすく、脂肪エネルギーは持久的な動きに使われやすいです。
この二つ(タンパク質もエネルギーになるが主に糖質・脂肪の二つがエネルギーになるためここでは二つと書いてます)のバランスによってエネルギー生産が変わってきます。
100mの世界記録保持者ウサイン・ボルトは高校時代400mの大会も走ったりしていたそうです。
しかし、彼にとって400mは長過ぎてとにかく嫌だったそうです。
200mが彼の1番の得意種目なのですが、200mである程度の記録を出した後コーチに「そろそろ400mもやろうか」と言われ絶対にやりたくなかったらしく、「だったら100mを走って結果が出なかった時は走る」と言いました。
それで100mの大会に出場するようになり、数回目で世界記録を出したのです。
彼の体は糖質エネルギーを使うことに特化し、爆発的筋力と骨格を持っているのでしょう。
 
距離に関係なく、走る行為で脂肪は結構邪魔な存在です。
100mの選手も、10000mの選手も、フルマラソンの選手も筋肉量の違いはあれどほとんどの選手が体脂肪5%前後以下です。
体脂肪にばかり目を向けられがちですが、トップアスリートの皆さんの体重はそれなりにあります。
川内優輝選手は62kg(身長175cm)もあるそうです。
ぼくのフルにおけるベスト体重は65kg(身長181cm)くらいです。
その時のぼくの体脂肪は7〜8%です。
仮に体脂肪を4%に落とすと脂肪は約2kg減ることになります。
そうすると63kgになり、ほとんど川内選手と変わりません。
身長差を考えるとぼくの方が痩せていることになります。
なぜ彼とぼくの体重が変わらないのかと言いますと、筋肉量が違うからです。
逆に言えばぼくは筋肉が足りないということにもなります。
人によってベストの体重は違うので一概に言えないことを前提で少し書きます。
ぼくはマラソンシーズンが終わると自転車を漕ぎ出します。
すると太ももとお尻に筋肉がかなりつきます。
体重も今69kg、体脂肪11%です。
マラソンシーズンが66kg、8%程度ですので脂肪も増えてますが、確実に筋肉も増えてます。
しかし、走る上では今の方が確実に感触は良いです。
特に内転筋と体幹に筋肉が増えると走る上で(自転車も水泳でも同じです)安定感が違います。
 
ここまで説明してやっとでハーフとフルの違いを書けれます(・ω・)
10kmやハーフ、30kmまでは実は勢いで走れます。
ランナーなら聞いたことがあると思います「30kmの壁」というものは基本的にエネルギー切れです。
いかに効率良くエネルギーを体に溜め込んで走れるか、いかに効率良くエネルギーを使わずに走れるかで結果は全く変わります。
30kmを過ぎると体のエネルギーだけでなく、ミネラル・ビタミンなども大量に消耗し体から枯渇し始めるのが30km以降です。
 
ぼくが通っていた高校では42kmを走る行事があります。
卒業生として3年前に走りましたが、結果は2位でした。
次の年震災があり中止でした。
去年は42kmの距離を確保することが出来ず30kmになりました。
結果は12位でした。
これは正確な数値での検証ではありませんが、少しは参考になると思います。
30kmはエネルギー・ミネラル・ビタミン切れを起こす前なので、生徒たちも走り切れたと考えられます。
ということは、30kmまでは極力脂肪を減らし、尚且つ筋肉も高スピードを出せる量を付けておけば走り切れます。
しかし、フルマラソンの場合、ある程度の筋肉が必要になってきます。
なぜなら筋肉の中にエネルギーを貯めることが出来るからです(それを応用したものがカーボローディングです)。
エネルギーを貯めておかないと30km以降走ることが出来なくなります。
エネルギーを貯めておく場所(筋肉)がないと貯めることすら出来ませんので10kmやハーフなどの距離とは全くの別物ということになります。
 
ここまで解説したら最初の質問のどちらの太ももが太いか答えはわかりますよね(゚∀゚)
論より証拠をお見せします!
皆さんの概念を覆しますよ(*゚∀゚*)
↓これは2017年のロンドン世界陸上の10000m決勝の映像です。

スピードも追及したい場合、腕・肩回りはどのようなトレーニングを組み込んだ方が良いでしょうか?ジムにおいてあるようなマシン等、もしくは自宅で腕立てやメディシンボールなどでも十分ですか?

フルとハーフの根本的な違いは理解して頂けたと思います。
ですので、今回はフルマラソンのトレーニングについて書いていきます。
ズバリ書くと、ぼくが思う答えは「連動」です。
どの競技でもそうなのですが、連動したトレーニングや、実際の競技で使う筋肉の動かし方を取り入れた筋力トレーニングが必要と考えてます。
 
先日キックボクシングをしている方とお話をしました。
その方に「どんなトレーニングをされてるんですか?」と聞くと「ロープを使ってトレーニングをしてます。」と答えました。
↓このようなトレーニングのことです。

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コメント

コメント一覧 (6件)

  • RUNネタで無くスミマセン…
    ぬぁ~~んと、、
    5/26(土)
    2:10pm~約20分
    「ブルーインパルス 」
    明治150年記念式典フェスティバル
    展示飛行♪
     
    田舎の鹿児島でブルー見れるなんて♪
    嬉しい限り♪
    奇跡に近いww
    (^.^)(-.-)(__)
     
    鴨池競技場の上空をブルーインパルスがアクロバット見せてくれるわよ♪
    土曜日の天気予報は雨ですが前日も予行練習飛行で見れます♪

    • >>CA(?)不二子さん
      どこかでその情報見ました!
      今週でしたね!
      その時間は多分走ってると思うので与二郎方面に向かいます!
      20分の展示飛行はそれなりのアクロバットをすると思われますので楽しみです!
      西郷どんを煙で描くのか、丸に十の字を描いてくれるのかどちらでしょうね(*゚∀゚*)
      今週の楽しみが一つ増えました\(^o^)/
      有益な情報ありがとうございました!

  • 高度な回答すぎて、頭混乱しました。
    答えは
    直接院長に聞きましょう!ですね
    水泳は心肺機能を強化できるので、初心者としては、一番簡単な補助トレではないかと
    思いますが??
    どうでしょう?

    • >>アニメ師匠さん
      なるべくわかりやすく例えを多用したのですが、どうしても難しくなったかもしれませんね(・_・;
      文字にするのはとても難しいです!
      心肺機能の強化だけをみるとランニングの方が良いと思います。
      それだけランニングの負荷は強いということでもあります。
      初心者の補助トレとして水泳は有効ではあり、かつ一番簡単な補助トレなのは間違いありません。
      ぼくも水泳をする際かなり体幹を意識して泳ぐので次の日は必ず体幹は筋肉痛になります。
      ですので、初心者に限らず中上級者でも補助トレとして有効です。
      二つ問題があります。
      1.泳げない人も一定数いるのでその人たちには難しいです。
      2.上半身(特に肩周り)の筋肉がつき過ぎてしまいランニングをする人にとっては邪魔な筋肉がついてしまうので加減が難しいです。

  • 1の質問に対して100くらい答えて頂きまして…本当にありがとうございます!
    かなりお手を煩わせてしまいました。
    となりますと、ハーフとフルと書きましたが、フルとウルトラ寄りで考えつつある自分の場合筋肉つけて行くトレーニングをして行ったほうが良いのですね。
    動画拝見しまして、+α記事も探してみまして、上半身トレーニングも含めてまた検討してみます!

    • >>Obiさん
      Obiさ〜ん、フルとウルトラも解説が変わってきます(@_@)
      ウルトラはエネルギーの使い方というか、エネルギーの作り方を変える練習が必要になるのでまた変わってきます(@_@)
      それは…また後日直接お話しします!
      話しで伝えるとかなり早く伝えれるのですが、文章にするとなると時間が死ぬほどかかってしまいます(@_@)

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