モハメド・ファラーのウエイトトレーニング

鹿児島市街地は11月のおはら祭りに向けて提灯が飾りつけられ季節の進みを感じさせてくれています。
そして今月末は鹿児島マラソンの抽選結果発表がありランナーの方々は今か今かと待ちわびながら日々練習に励んでいるかと思われます。
私、ハラグチは例年通り当選するものだとゆったりと待っています。
 
これまで過去3回、ランナーのためのウエイトトレーニングを紹介してきました。
 
ランナーのためのウエイトトレーニング~腰編~
ランナーのためのウエイトトレーニング~大腰筋編~
ランナーのためのウエイトトレーニング~広背筋編~
 
次のトレーニングも紹介したいところですが、ランニング(マラソン)にウエイトトレーニングが必要なのか?
半信半疑の方がいらっしゃると思われます。
ここで結論から言いますとマラソンにもウエイトトレーニングは必要です!
けど走るのが遅い僕が言っても説得力がありません。
そこで2018年10月7日に行われたシカゴマラソンで優勝したモハメド・ファラー選手のウエイトトレーニング動画がありましたのでそちらを紹介させていただきます。
モハメド・ファラー選手というとマラソンに転向する前まで中距離で活躍され2012年ロンドンオリンピック、2016年リオオリンピックの5000m、10000mともに2大会連続金メダルを獲得しているスーパースターです。
オリンピックの他にも世界陸上で4大会連続金メダルを獲得しています。(詳しいことは調べてみてください)
そのスーパースターがウエイトトレーニングをしているのをみれば僕が言うより説得力があるのではないでしょうか。
そしてウエイトトレーニングが重要なんだと感じ取っていただけたら嬉しいです。
それでは動画に合わせてトレーニングの解説を行っていきます。
 
 

目次

下半身強化にはスクワット!

では一番はじめに(0:45~1:05)のスクワットからです。
動画では40kgの重りを1セット6回持ち上げています。
回数だけ見ると少ないと感じるかもしれません。
しかしこの方法は筋力向上させるためには良いと言われています。
そしてファラー選手の体重が約60~65kgだと予想されるので40kgの重量は結構重たくキツイです。
またスクワットの様子をよくみると持ち上げる瞬間に股関節を「グンっと」一気に伸ばして持ち上げていることがわかります。
この「グンっと」持ち上げる動作も筋力を高める効果があり、動画のスクワットでは筋力向上を目的にしていると思われます。
そのためトラック競技でみられたラストスパートでの驚異的なスピードも他の選手より筋力があったからだと推測できます。
でも私達市民ランナーはトップ選手ではありません。
それ故「スクワットなんてする必要ないでしょ!」
なんて言わないでください。
私達にも絶対に必要です。
スクワットはご存知の通り下半身全体と背中・腹筋が鍛えられ、やり方によって鍛えられる部分(筋肉)が変わってきます。
ファラー選手のスクワットのやり方だと特にお尻(大殿筋)、太もも裏(ハムストリングス)が的確に鍛えられます。
お尻と太もも裏の筋肉というのはランニングでの地面の蹴り出しに大きく関与し速く走るためにはランナーの皆さんに絶対必要な筋肉です。
特にランニング初心者は筋肉量、筋力ともに少ない状態にあります。
(普段何かしらの運動をしている方は例外です)
練習方法が自分のレベルに合っていれば大丈夫ですが、スピードを出して走りすぎたりなどすると筋力が伴っていないために膝などを怪我します。
そうならないためにもレベルに合った練習をするとともにケガが防ぐためスクワットを行い筋肉、筋力をつけるとあっという間にレベルアップすることでしょう!
今からランニングを始める方・走り始めた方は軽いスクワットでも良いので行うことをオススメします。

腕振り強化にはダンベル・ロウ

次は1:30~2:05のダンベル・ロウとよばれるトレーニングです。
使っているダンベルは10kgで1セット10回おこなっています。
先程のスクワットより回数が6回から10回に増えました。
これは筋肉にエネルギーを与える器官を鍛えます。
筋肉にエネルギーを与える器官というのは簡単に説明するとミトコンドリアなどです。
それにより筋肉によりエネルギーを与えられるようになります。
まぁこのあたりは深く考えないでください。
では、なんでこのトレーニングをするのかと言いますとトレーニング動作を見るとなんとなくランニングの腕振りに見えてきませんか?
そう言われるとそのような気もするようなしないような・・・
そのように見えた方はイメージがついたと思いますが、このトレーニングはランニングの腕振りを鍛えるトレーニングです。
これによって鍛えられる筋肉は背中の広背筋と呼ばれる筋肉になります。
広背筋は腕を後ろに引き付ける作用があります。
ランニングの腕振りが大切であることはなんとなく知っているでしょう。
一つとして腕振りができないと足が前に進む推進力が生まれず効率の良い走り方ができません。
試しに立ち上がったまま腕振りをすると勝手に足が出そうになると思います。
ということは腕を振るのと振らないのでは走りに大きく影響します。
時々マラソン選手の中で腕をあまり振らない選手もいますが映像上振っていないように見えて実はしっかりと後ろに引き付ける動作を行っています。
例として昨年独特のフォームで騒がせた安藤選手の走りを見てください。
先頭の選手と比べてダイナミックな腕振りではないものの腕を後ろにしっかり引きつけているのがわかります。
 

腕振り強化に胸のトレーニング!?

3つ目はダンベルプレスになります。
これもダンベルロウと同じ10kgを1セット10回おこなっています。
トレーニングの意味合いも先程と同じ筋肉にエネルギーを与える器官を鍛えています。
このトレーニングは広背筋のトレーニング動作と反対の動きをしています。
ここで疑問が浮かびます。
腕振りに使う広背筋を鍛えることは理解できると思いますが、その反対の胸の筋肉を鍛える意味があるのかということです。
世界のトップ選手が意味のないトレーニングをするはずもなくこれにも理由があります。
ランニングでは胸の筋肉(大胸筋)が固くなると腕振りがやりにくくなり先程の広背筋のトレーニングを行っていても腕を振ることができなくなります。
そこでもう一度動画を見てみましょう。(2:20~)
ダンベルを下げた時の状態を見ると胸がストレッチされていることが良くわかります。
これで大胸筋が固くなるのを防ぎなおかつ鍛えることで広背筋との筋力のバランスも均等になります。
これで大胸筋が固くなるのを防ぎなおかつ鍛えることで広背筋との筋力のバランスも均等になります。
そしてトレーニングを行うときは広背筋のトレーニングと交互に行うと広背筋のトレーニング時に大胸筋がリラックスし逆に大胸筋を鍛えるときは広背筋がリラックスします。
そのためお互いの筋肉の回復が早くなりオススメです。
さらに胸のトレーニングはベンチプレスではなくできればダンベルを使うようにしましょう。
ベンチプレスだとダンベルプレスほど胸にストレッチが効かないためです。
わからない方はYouTubeなどで見比べてみてください。
よくわかると思います。
猫背になっている方の殆どのかたが大胸筋が固くなっています。
っと言うことは先程も言いましたが広背筋のトレーニングだけやっていても効果は薄く、時間がもったいないです。
そのことをふまえつつ両方のトレーニングをおこなってくださいね!
 
たった3種目説明するのにここまで長くなってしまいました。
頭が疲れたことでしょう。
先に謝っておきます。
あと少しで終わりますので最後までお付き合いください。
 
今回動画の中でのトレーニングは3種目それぞれ1セットだけしかしていません。
実際行うときは1つの種目を3~4セットします。
1セットだけなら簡単でした。
しかし世間が甘くないのと同じでトレーニングも甘くはありません。
それなりに大変です。
けどこれがランニングのウエイトトレーニングにおいて基礎となるものだと思います。
この3つだけでも走りに大きな影響をもたらすことは間違いないでしょう。
そのおかげで走りが楽に、速く、ケガなく走れるようになるとすればやらない手はないですよね?
実際にダンベルロウをして走った方に感想をお聞きすると、ほとんどの方が「腕の振りが違う」とおっしゃられていました。
このトレーニングをするかしないかは個人の自由です。
けどやってみて効果がなかったのであればやらないでいいです。
しかしやらないのに効果がないとしてしまうのはもったいないですよ。
やらない後悔よりやる後悔です。
当院ではこれらのトレーニングをしっかりすることができます。
(スクワットは別な方法ですが・・・)
もしこの記事を読んでやりたい!
っと思われた方は来院された時に『ファラースペシャル』お願いします!と言っていただけたら幸いです(笑)
長い時間お付き合いいただきありがとうございました!
 
※記事の解説はあくまでも一個人のものであり絶対ではありません。
ご了承ください。

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コメント

コメント一覧 (6件)

  • ランニングしたあと、上半身がこわばる感じがあります。(院長先生からも以前指摘があり、トレーニングの大事さを実感しました)
    記事を読み、腕がうまく振れてないのは、大胸筋が固くなっている事も一因と分かり、また勉強になりました!
    次回はダンベル・ロウを試してみたいです!けんた先生のトレーニング、優しい笑顔でしっかり負荷をかけて頂けるので、キツくてもギブアップしにくいです(・∀・)

    • Kouika7さん
      大胸筋が固くなっている方はたくさんいらっしゃいます。
      でもそこに気づくことはあまりありません。
      そのことを気づかれただけでも、かなりプラスになっています。
      原因がわかり対策を行えば怖いものなしです!
      もし怖いものがあるとすれば笑顔の裏に隠された僕のスパルタ具合かもですね(笑)
      腕振り強化メニューとともにお待ちしております。

  • プロレスラーになれるか、なれないかは
    スクワットがきちんと出来るか、出来ないかで判断します。
    G馬場さんは毎日3000回、電車移動もバーバルを常に持たされたそうです
    渕正信選手も毎日500回スクワットをやらされたそうです
    お相撲さんはというと??よくわかりませんのでケンタ先生に聞いてみましょう
    手を突いたら即負け・・・足腰の強さが他の競技よりも必要なのは明らかですよね

    • アニメ師匠さん 
      僕のお相撲さんになれるか、なれないかは短距離走(50m走)の速さで判断してもよいのかなと考えます。
      相撲ではおっしゃられた通り足腰は大切です。
      そのために四股を500回踏んだなどのことを聞いたことがあります。
      四股500回というと片足スクワット左右250回ずつしたのと同じくらいです。
      でも最近僕の考えですがもっと筋トレをおこなってもいいのではと思います!

      • ケンタ先生!!
        それです!それですよ
        四股の正しい踏み方は、まず一般の方はしりません。
        私も知りません。見よう見まねでやったら、ただ左右に揺れているだけと言われました。
        四股トレ、四股の原理を取り入れた足腰強化訓練をお願いします
        スクワットより、はるかに効果あるはずです 

        • アニメ師匠さん
          四股は毎回片足スクワットをしているのとほぼ同じなので少ない回数でもかなりキツイです。
          ただの四股は単純すぎて続かないと思われるのでいろいろ試しながら良い方法を探していくと共に四股の微妙な違いでどんな効果があるかもわかったら面白そうです。

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