変形性股関節症が50歳前後以降で多い理由

変形性股関節症でお悩みの方は女性が大半です。
特に50歳前後以降の女性です。
これにははっきりとした原因があります。
そのことを科学的に説明していきます。
難しい話になりますので、ご興味ある方だけご覧下さい。
難しい単語や名前が出てくると思いますが、覚える必要はありません。
全体の流れを何となくつかめればそれで問題ありません。
とにかく、なぜ骨の変形が50歳前後以降の女性に多いのかを解説したいだけです。

原因は大きく四つあります。

1.閉経によるカルシウム不足
2.出産
3.筋力不足 
4.栄養不足

この四つを解説していきます。

まず一つめの「閉経によるカルシウム不足」からです。
50歳前後で女性が転機を迎えます。
それが閉経です。
思春期から約40年間続いた生理が終わりを迎えます。
その時体は一体どのようになっているのでしょうか。
生理があると血液が大量に排出されてしまいます。
それに伴い鉄不足となり、体に様々な不調が出ます。
(生理などによる鉄不足に関しては今後様々な形で記事にしていく予定です)

生理が終わり血液が排出されなくなると、貧血が治り元気になる女性が多いです。
しかし、ある問題が閉経と共に発生します。
それが「骨密度低下」です。
これについて書いていきます。

骨の主成分はカルシウムだということは誰しもがご存知と思います。
体内にあるカルシウムは骨の主成分になるだけが目的ではありません。
血液の微アルカリ性を保つものでもあり、神経の働きにも必要です。
血中からカルシウムが足りなくなると、血液は酸性へと傾きやすくなりますし、神経はイライラし、筋収縮が弱ります。
血中のカルシウムを調整するホルモンが「上皮小体ホルモン」と「カルシトニン」です。
上皮小体ホルモンは血中のカルシウムイオン濃度を上げる役目を持っています。
血中に十分なカルシウムイオンがない場合、上皮小体ホルモンが分泌され骨に含まれているカルシウムを溶かしたり、腎臓からのカルシウムの排出を抑えたり、小腸でのカルシウムの吸収を促進することで血中のカルシウムイオン濃度を上げます。
カルシトニンはそれとは逆の作用をすることで、血中のカルシウムイオン濃度を下げる役目を持っています。
要は上皮小体ホルモンの拮抗ホルモンがカルシトニンです。

カルシトニンは女性ホルモンの一つであるエストロゲンによって分泌が促されます。
生理が終わると女性ホルモンは一気に排出されなくなります。
そうなると血中のカルシウムイオン濃度を下げる役割を持っているカルシトニンの分泌が行われにくくなります。
ということは、上皮小体ホルモンが分泌されても拮抗ホルモンであるカルシトニンが出ないこことで、上皮小体ホルモンを抑えてくれるホルモンがなくなるということです。
上皮小体ホルモンを抑えれないということは、骨からカルシウムを溶かして血中にカルシウムイオンを出し続けてしまうことになります。
その結果として、骨密度の低下が起こってしまいます。
骨密度が低下すると骨の変形は残念ながら進行しやすくなります。

次に二つ目の「出産」です。
出産を経験された方も変形性股関節症になりやすいです。
お腹に赤ちゃんが居ると骨盤が拡がります。
それは赤ちゃんを支える為です。
骨盤が拡がるという事は、骨盤と関節している股関節も一緒に拡がります。
いまいちイメージ出来ないと思いますので、妊娠中の歩いている女性をイメージしてください。
妊娠中の女性はガニ股で歩いてますよね?
あれが股関節が拡がっている証拠です。
出産後骨盤のケアや運動をせずに骨盤が拡がったまま固まるとお尻が大きくなります。
中には元から大きい方もいらっしゃるかもしれませんが、産後は明らかにお尻が大きくなります。
大きくなっているのは、骨盤が拡がっているからです。
という事は、股関節も外に拡がったままなのです。
外に拡がっているという事は、正常な位置にないので股関節に負担が掛かってしまします。
股関節に負担が掛かるという事は、股関節への外力が強くなり、変形を促してしまうという事です。

ここで一応補足をします。
骨盤矯正をしたら痩せるとか言われてますが、あんなの信じたらダメですからね。
骨盤矯正をしただけで痩せるはずがありません。
理論上100%ありえません。
骨格が正常になり、筋肉も正常に使われると「多少」代謝も上がるでしょうが、微々たるものです。
骨盤矯正で痩せる!なんてうたってる場所は詐欺だと考えていただいて間違いありません。
股関節への影響や身体のことを考えて骨盤矯正(骨盤だけではなく、全身診ないと意味はありませんがここではわかりやすく「骨盤矯正」と書いてます。)をする必要があります。
その副産物として見た目が良くなる程度にしかぼくはみていません。
なので、骨盤矯正で痩せたいという問い合わせがきますが、そんなのでは痩せませんと突き放し、より一層経営が厳しくなるというドM経営を実践しております(・ω・)
嘘を付いてまでお金を稼ぎたいとは微塵も思っていないのでこれで良いんです( ^ω^ )

次に三つ目の「筋力不足」です。
30・40代ではある程度動き回ったり運動をしたりする方が多いのですが、50歳前後となると運動をしなくなる方がほとんどではないでしょうか。
筋肉は運動をしないとすぐに弱ります。
筋肉の役目は体を動かすだけでなく、歩行や走行など様々な状況での体への衝撃を吸収します。
また、血液循環を促すこともします。
筋肉が細ると衝撃が吸収出来なくなり、骨への衝撃が強くなります。
衝撃が強くなるという事は、骨の変形を進行させてしまいます。
また、血液循環が悪くなると骨への栄養がいきにくくなり、骨にも決して良くありません。

最後の四つめの「栄養」です。
骨を構成する栄養に関しては以前書きました。

変形性関節症の科学的説明1
変形性関節症の科学的説明2

上記リンクをご確認ください。
これらの栄養が不足すると骨は変形します。
栄養で骨が変形すると言っても、そんな簡単に変形するものではありません。
それなりに年数が必要です。
もちろん栄養不足が著しい場合は骨への影響も著しくなるでしょうが、普通はそこまで顕著に影響はありません。
20代からの栄養の質不足の積み重ねにより現れるのが50歳前後です。
当然個人差があるので一概には言えませんけども。
上記リンクの栄養を怠らないことが何より重要です。

以上の理由から、50歳前後の女性は股関節の変形が多くなります。
今現在変形が進んでいる方も決して諦めず、他人に身を委ねるだけでなく、ご自身でもしっかりとした知識を持ち、自分で出来る事は最大限やりましょうね( ^ω^ )

『健康は科学です!』

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 生活習慣も影響するので
    食っちゃ寝、食っちゃ寝、暴飲暴食
    20代から気をつけましょう

    • >>アニメ師匠さん
      昔アニメ師匠さんにお腹が弾けるほどの餃子やカレーを大量に食べた記憶が蘇ってきました!
      とんでもない量でしたよね!

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