股関節痛の治療にはどれくらいの期間かかるのか

股関節が痛くなり、病院に行くと「手術しかない」と言われます。
最初は驚きますよね。
とてもライトに言われます。
手術は誰でもしたくありません。
したい人なんて誰一人としていないのではないでしょうか。
それまで馴染みのなかった「変形性股関節症」という言葉を調べると不安はどんどん膨らみます。
様々な情報の中で「ぼくの手整骨院」のことを知りご連絡頂きます。
よくある問い合わせが題名にもある「治療期間はどれくらいかかりますか?」です。
こればかりは診ないと全くわかりません。
症状や状況を聞いただけではまず無理です。
実際触ったり、どのような時に痛みが出るかなど検査や問診が必要となります。
今回はそれが大前提として書き進めます。
 
股関節に異常がある方が来院されて、股関節の施術をした後詳しく説明をします。
その際使うのが「10段階評価」です。
何もない方が0で重症の方は10です。
この10段階評価で解説をしていきます。
 
「8以上」の方は日常生活を普通におくることが出来ません。
歩行時に股関節が擦れる音がしたり、歩行の途中で足が引っかかる感じがして歩けなくなったり、股関節の可動域がかなり狭くなります。
股関節を曲げる事が出来ないのでしゃがめません。
杖無しの歩行はまず出来なくなります。
それでも手術を回避されたい方が大勢いらっしゃいます。
ぼくも出来る限りのことはしますし、緩和することは出来ます。
しかし、ここまで変形が進むと日常生活がまともにおくれない為、結局手術をされる方がほとんどです。
ぼくが出来ることとしたら、骨の変形を止めるか遅らせたり、手術までの日数を伸ばすことくらいです。
それでも良いからということで来院される方も大勢いらっしゃるのでその旨話はします。
これまで様々な方を診ておりますが、8以上の方は結局手術が必要になることがほとんどです。
なぜなら、いくら本人が手術を回避しようと思っていても、ご家族の理解を得ることが難しくなるからです。
 
・日常生活で転倒
・トイレもままならない
・家の中を移動することも困難
 
このような状況になるとどうしても家族に負担がかかってしまいます。
負股関節だけでなく精神的にも負担が重なり心身共に不安定になります。
手術をされた患者さんの話を書きます。

手術をするのは病院選びが何より重要。様々な情報を集めて自分が納得した病院で手術をしないと後々後悔すると思う。そして手術をする年齢も大事。人工骨頭にも耐用年数があるからそれを計算に入れて手術をしないといけない。例えば60歳で手術をしたとする。一般的に人工骨頭の耐用年数は15〜20年と言われているから、75〜80歳で再手術が必要になる可能性が高くなる。その年齢での再手術は年齢的・体力的にきつくなる。60歳以降で手術をする際は伸ばせれるだけ伸ばした方が良い。

このように話をされます。
手術をされた方が一様にこの話をされるのが特徴です。
 
 
 
「7〜6」の方はギリギリ日常生活を普通にこなせます。
股関節は素人の方が触ってもすぐにわかる程度に変形しています。
股関節に痛みがあり、変形もかなり進んでいます。
骨の変形によりしゃがむ事が困難で、床に座ったりすることは出来ません。
歩く時にお尻(股関節)がガクンガクンと落ち込んでしまいます。
股関節の可動域も大幅に制限されます。
この程度の方なら何とか抑える事が出来ます。
ケア・メンテナンスや栄養、リハビリを正確に行って保っている状態です。
何かを怠った時に痛みが強く出てしまいます。
月に2〜3回程度の施術かリハビリが必要となります。(ベストは週に1回)
歩行にも問題がある場合がほとんどですが、痛みはかなり軽減され日常生活を一人でおくることは出来ます。
骨の変形が元に戻るわけではありませんが、適切に可動域を保ちつつ、正確に筋力をつけることで骨の変形をくい止め痛みを軽減もしくは消失することが出来ます。
この「7〜6」の方は本当にギリギリで、一進一退をすることも特徴的です。
まだ手術をしなくても良いけど常に痛みと手術の不安と戦うため心身共に疲れます。
なるべく手術を避けて頂きたいのでこちらも油断が全く出来ません。
 
 
「6〜5」の方は素人の方が触わり、変形がやっとでわかる程度です。
痛みはまだ物凄く強いわけではなく、日常生活で困ることはそこまでありません。
しゃがむことも出来るし、股関節の可動性は保たれています。
時折激痛に襲われることもありますが、その激痛がそこまで長く続くことはありません。
もちろん個人差はありますが、院で見る限りそのような方々が多いです。
股関節専門の施術とリハビリをすることで痛みが消える方がほとんどです。
しかし、定期的な施術とリハビリが必要となります。
1ヶ月に1回程度は必要です。
骨の変形が元に戻るわけではないので「完治」という言葉を使うのは難しいところではあります。
大事なのは施術だけでなく、リハビリも股関節専門で行うことです。
一般的なリハビリや全員同じようなリハビリをしていても意味がかなり薄くなります。
どこの筋肉の問題なのか見極め正確にリハビリをする必要があります。
 
 
「4〜3」の方は素人の方が触っても骨の変形はわからない程度です。
レントゲン上で見ると左右差はあるけど、そこまでの変形には至ってません。
痛みの度合いとしては酷くはありませんが、床に座っていて立ち上がるときなどに痛みが出ます。
歩行時に痛みも出やすいです。
長時間同じ姿勢をしていた後などにも痛みが出ます。
キーワードは「動き始めに痛みが出る」です。
日常生活で特別困ることはなく、普通に生活は出来ます。
しかし、痛みが出たり出なかったりの繰り返しで股関節痛がストレスになります。
また、病院に行くと「変形しているので手術しか方法はない」と言われたりするのもこの頃からです。
少しの変形であれば特に問題はなく、マラソンやトライアスロンなど激しい運動もケア・メンテナンスを行えばまだ出来ます。
この状態の方は2〜4ヶ月に1回の頻度で治療すれば問題ありません。
通い始めは月に1〜2回通う必要があったりしますが、こればかりは個人差があるので何とも難しいところです。
大体3〜5回ほど施術をすれば良くなり、その後はリハビリをすることで劇的に良くなります。
この段階でのリハビリは「リハビリ」というより筋トレになります。
筋肉を正しく鍛えてあげると嘘のように股関節が良くなります。
この筋トレは「出来れば」週に1回が望ましいのですが、遠くからお越し頂く方にはさすがに難しいので2〜4ヶ月に1回お越し頂いた時に施術とプラスして行うと良いでしょう。
 
 
「2〜1」の方はレントゲン上でもまだ変形がない状態です。
ちょっとした違和感や痛みがあり、病院に行っても「特に問題ない」と言われて終わります。
動き始めに違和感や痛みが出たり、股関節の前側に詰まった感が出たりします。
「放っておけばそのうち治る」と思っている方が大多数です。
放っておくと段階が上がってしまう方がほとんどです。
これくらいの状態であれば2〜3回の施術で完治します。
通い続ける必要もなく、同じような違和感や痛みが出た時だけの施術で良くなる方がほとんどです。
もちろん予防の為に筋トレや施術をご希望される方もいらっしゃいますが、基本的に通い続ける必要はありません。
 
 
いかがでしたでしょうか。
なるべくわかりやすいように書いたつもりですが、やはり詳しくは実際診てからの判断が一番です。
股関節痛で悩まれてる方は迷わずご相談ください( ^ω^ )
何とかなるかもしれませんよ( ^ω^ )

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コメント

コメント一覧 (9件)

  • ああああ、返答いただいていたんですね。
    連絡が遅れて申し訳ありません。
    メルアドを記入する事になっていたので、返答をいただけた時はメールが来るのだと勘違いしていました。
    YouTubeで解説していただけるとのこと、ありがたいです。ぜひ、お願いします!
    現在も同じような症状ですが、1日のうちでも、歩いている時に痛みの度合いや場所が結構変わります。また、ゆっくりと丁寧なストレッチを時間をかけてやると、そのあとしばらくはましなように思います。

    • >>ErikoHKさん
      それではyoutubeで解説しますので少々お待ちください。
      コメントありがとうございます。

      • 必要かどうか分かりませんが、追加情報です。
        20年近く太極拳をやっています。5年ほどは前までは週に2-3回のクラスで、その頃までは週に4回、日に2度、1回20-30分ほど犬の散歩もしていました。
        現在は太極拳が週に2回、この3週間は1回に減っています。つまり、運動量がかなり減っています。
        また、クラスに行ける回数が減ってしまったために自宅でストレッチなどをしていたのですが、最初のうちは筋肉が温まっていないうちに無理やり伸ばしたりすることもあり、また、筋肉のマッサージなどもしていませんでした。今は、この辺は気をつけています。もう遅いかもしれませんが。
        股関節に関する記事をほぼ全て読ませていただきましたが、まず、前後開脚、ゴリゴリやってました。-> 一旦やめます。
        60歳近くなので、当然閉経していますが、カルシウムなどは特にとっていません。-> カルシウム+マグネシウム錠剤を注文しました。
        ビタミンCは実は半年前から1日に5-6g摂取しています。風邪はひきにくくなったようです。
        またしても長々失礼しました。YouTube解説、楽しみにしております。

        • 先のコメントを書いた後、YouTubeでごくの手さんのチャンネルを探しておこう、と思って検索してみたら、もうアップされてました。びっくり。しかも10分以上も。さっそく見せていただきました。歩き方や痛みの出方など、全くおっしゃった通りです。
          一般の同年代女性と比べれば筋力はあるとは思いますが、ここ数年で以前と比べて運動量が減り、それなのに無理をして今まで通り太極拳や形意拳を行おうとしていたことも筋肉を痛めてしまった一因かもしれません。
          関節ではなく筋肉だろうという事で、希望が持てました。本当に鹿児島に住んでいないのが残念ですが、的確なアドバイスがもらえる専門家はいないか、調べてみたいと思います。また、イギリスにも整体院などあるので、試してみようかと思います。
          本当にありがとうございました。

          • ごくの手さん->ぼくの手さん。名前間違えてる。すみません…。

          • >>ErikoHKさん
            太極拳は股関節を深く曲げる動作がある認識です。
            したらダメとは言いませんが、股関節に負荷がかかり過ぎるような動作は控えた方が良いでしょうね。
            とにかく、内転筋不足が考えられますので内転筋をどうにかされてください。
            少しでもアドバイスがイギリスに届いたのであれば幸いです。

          • アドバイスありがとうございます。道筋が見えたのが嬉しいです。
            振り返ってみれば、様々な状況が重なって確かに筋力が落ちていたように思います。
            にも関わらず、かなり無理をした実感も。
            プロテイン摂取量も足りていないし、内転筋強化に向けて自分でできることを考えます。

  • こんにちわ。
    ブログのコメント再開、ありがとうございます。
    50代後半の女性です。
    ここ3年ほど、右脚の座骨神経痛風(風、というのは結局はっきりしないままほぼ完治してしまったからです)の痛みに始まり、これも右脚を大きく回すとバキバキ音がするようになったりしていましたが、日常生活には問題がないので放ったらかしにしていました。
    ただ、右脚を上にして足を組むことが痛みでできなくなりました。というか、組もうと足を内側に持って行く時に足の付け根の前面の中間ほどが一瞬ズキンと痛むので組むのをやめる、という感じです。もともと脚を組まないようにしているので、しばらく気がつきませんでした。
    どうも歩き方が変だということに気づき(右足を前に出す時のみ、右足先で弧を描くように外回りにしている)、気をつけるようになって数ヶ月たちます。そのせいなのかどうか、今度は左脚の付け根が急に痛み始めました。
    2週間ほど前の事です。通勤中に階段を上がろうと左足に体重をかけた途端、一瞬ですが激痛が走り、結局、一階段ずつ、右足で体を持ち上げる形で上る事になりました。階段を降りる時には全くと言っていいほど痛みはありません。平地を歩く時は痛みます。
    週明けに病院に行きましたが、両脚とも可動域は広く、痛みも出ないようなので関節ではないと思う、どこか筋肉が腫れて関節に引っかかっているのかもしれないので、ひとまず薬を出すので様子をみよう。炎症が引いたらひっかからなくなるかもしれない、とのことで、痛みが引かないなら手術になるかもしれない、と言われました。ちなみに診察時間は10分ほどでした。
    服薬中はましでした。薬は抗炎症の痛み止めです。ところが、服薬期間(1週間)が終了し、飲むのを止めたら同様の痛みが復活しました。
    痛みが出る3週間ほど前からストレッチをしていました。無理は禁物、体を温めてから、ということにも気をつけていたつもりですが、ストレッチ後のマッサージなどはきちんとやれてなかったかもしれません。
    以上の情報で、ご経験から痛みの原因に何か思い当たることがあれば、教えていただけないでしょうか。
    長々とごめんなさい。読んでくださってありがとうございます。近くに住んでいたら施術をお願いに行くのですが、現在、日本ですらありません。信用のできる情報はないだろうかとネットで探していてこちらにたどり着き、質問させていただいている次第です。

    • >>ErikoHKさん
      こんにちは、はじめまして。
      IPアドレスで検索しましたら、イングランドにお住いのようですね。
      さすがに来院は無理そうですね…。
      イングランドの医療について少し調べてみました。
      しかし、股関節治療に関することまでは時間の関係で調べきる事が出来ませんでした。
      診察時間が10分とのことですが、日本の2倍はあります。
      とはいえ、10分で解決するはずもありません。
      とても丁寧にそして、本当に悩まれてる様子がみて取れましたので、今回このことをyoutubeで解説したいと思います。
      それでもよろしいでしょうか?
      ブログ内で書くと長くなりそうなので…。
      ご返答よろしくお願いいたします。

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