ハンガーノックとは???

これから数回に分けて「疲労」と「持久系の筋肉」を科学的にそして体感的に考察していこうと思います。
様々な角度から疲労と筋肉について突っ込んでいきます。
世界ではすでに流行っているドーピングについて勉強したりしてます。
ドーピングについてはそのうち書きますが、かなり興味深いことですのでスポーツに少しでも関わっている方は読んで損は絶対ないです。
 
今回はマラソンランナーなら一度はなったことがあるであろうハンガーノックについてです。
先に書いておきますが、興味がない方は読まない方がいいと思います。
ですが、ご興味ある方は絶対読んだ方が良いです。
では、始めます。
 
『ハンガーノックとは???』
 
体を動かすとき、脳から筋肉に指令がでて筋肉が動きます。
その筋肉が動くときに多くのエネルギーが必要となります。
疲労や筋肉を語る上で、上の2行が全ての基本であり根源となります。
まずは疲労の正体から書いていきましょう。
 
聞いたことはあると思いますが、筋肉には速筋と遅筋という二つの筋肉があります。
簡単に書くと速筋は瞬発力の筋肉、遅筋が持久力の筋肉です。
この2つの筋肉のバランスで運動のパフォーマンスは決まります。
野球・アメフト・短距離競技・投てき競技などの瞬発競技は速筋の割合が多く、
マラソン・自転車ロードレース・長距離競技などの持久力競技は遅筋の割合が多く、
バスケット・サッカー・テニス・バドミントンなどの瞬発力だけでなく持久力もいる競技はそれぞれの競技によって割合が変わります。
遅筋は速筋に比べて細い作りになっているため、速筋に比べて軽いです。
理由は単純で持久力を発揮するには重さは不要だからです。
ここからが重要な内容です。
遅筋はエネルギーを消費するときになるべく脂肪エネルギーを使うようにできています(とはいえ、糖エネルギーに依存しています)。
速筋は筋肉内にある糖(グリコーゲン)をなるべく消費して動かします。
糖エネルギーが着火剤で、脂肪エネルギーがガソリンのようなイメージです。
このグリコーゲンは主に筋肉と肝臓に蓄えられており、エネルギー変換されやすい物質です。
少し数字で詳しく書きます。
 
血中に溶け込むグルコース   4~6g(16~24kcal)
肝臓に蓄えれるグリコーゲン   60g~120g(240~480kcal)

筋肉に蓄えらえるグリコーゲン   300~500g(1200~2000kcal)

この数字を見ていただくと明らかですが、筋肉に蓄えられているグリコーゲンが圧倒的に多いです。
そして、体内に含まれるグリコーゲンは最大でも2500kcal程度です。
ぼくがフルマラソンを走ったらなくなります。
実際は脂肪エネルギーも一緒に使うのでそんなに単純ではありませんが、体内のグリコーゲンがなくなる(実際はグリコーゲンはなくなっていませんがここではあえてなくなったと表現しています)と体が動かなくなります。
そのことをハンガーノックといいます。
フルマラソンやロードバイクをされてる方は経験あるかもしれません。
体重60kgで体脂肪10%の人の脂肪エネルギーは43200kcalあります。
この人のエネルギーが体から完全に枯渇することはまずありえません。
しかし、グリコーゲンがなくなると体は動けなくなります。
なぜフルマラソンは30kmを越えると脚が動かなくなるのか、その答えはグリコーゲンの枯渇にあります。
マラソンにおいて30kmの壁話はよく聞いたことがあると思いますが、ことは単純で体のグリコーゲンが枯渇したのです。
体内のグリコーゲンをたくさん使い過ぎてしまい、着火剤がなくなりエネルギーの産出ができなくなってしまったのです。
これがハンガーノックの正体です。
ハンガーノックにならないためにも競技前の糖質摂取、競技中の糖質摂取は何よりも大事です。
どんなに優れた選手(金メダリストでも)でもこれに打ち勝つことはできません。
なので、糖質の摂取は最重要事項と覚えておきましょう。
 
頭がこんがらがってませんか???
ぼくも何を書きたいかわからなくなり、何度も読み返しては書いています。
今回の記事に関してはかなり長くなりそうなので数回にわけて書きますが、(自分で言うのもなんですが)秀逸な内容です。
中々ここまで突き止めることが出来る人はいないのではないかと思えるくらい、突き止めたと思います。
自分でもこの記事全部を完成することが楽しみでもあります。
スポーツをされてる方は絶対読んだ方が良いと思いますので、是非忍耐強くお付き合いください。
 
 

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • >>アニメ師匠さんへ
    その通りです。
    我々の職業は運動して初めて成り立ちます。
    それがわかっていない人が99,9%だとぼくは思ってます。
    昔やってたでは通用しないですよね。

  • まさに正論
    中学の部活で、真夏の炎天下で朝から夜9時まで、ぶっ続けでしごかれ、
    水を飲ませてもらえないあげく、スニッカーズ隠れて食べたらボコボコに
    されてた奴がいた・・・
     糖質を補給する自然な行為だったが、昔は、サボってお菓子をかじってると
    思われたのだろう・・・
     スポーツをしてない教員らには分からない、当然、スポーツをしていない施術者にも
    分からない
     身を持って実践しているところがすばらしい
     
     

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