腰の痛みで走れない〜椎間板ヘルニア?〜

台風の後から一気に涼しくなった鹿児島です( ^ω^ )
このまま秋がやってきたかと思えばすぐに冬がやってくるのが鹿児島の特徴です。
鹿児島の秋は本当に短いです(^_^;)
トレンチコートを着たいところですが、買うのがもったいないくらい秋が短いので鹿児島の人はほとんど持っていません(^_^;)
 
さて、本題です。
大阪のランナーからの質問です。
(※今回は少し厳しいことを書きますので、気を悪くされたら申し訳ございません。)
内容がこちら。
 
”実はいま絶賛怪我治療中の身です。怪我の内容は椎間板ヘルニアです。
しかもことし2.5回目です。3月に発症し、一旦5月に治り、調子を
こいてランニングの強度をあげたら、7月に2回目を再発。8月に調子がよくなり、
練習を再開したら、9月頭に軽めに再発。だから2.5回目です。走りたくても走れない、
最後は脚の痛み止めを飲みながら走る、何をやっているかわからない始末です。
いまの状態でどのようなケアをすることが、回復への近道になるでしょうか。”
 
これだけでは情報が少な過ぎたので詳しくお伺いして得た情報がこちら。
 
”病院で診断されました。40代、男、170cm、
61kg、週3〜4回の運動頻度。平日夜に5km程度のランニング、ペース4′50″/km程度。時々ポイント練習でインターバル500m×6、休日は10km〜ハーフ走、100km強/月と体幹トレーニング、でヘルニア勃発しました。痛み止めを飲まなければ、夜、左脚深部に神経痛のような痛みが走り、寝返りを打てない感じです。腰自体に痛みはある時とない時があります。それ以外は、ふくらはぎ、くるぶしあたりに常に鈍痛がある感じなんです。最近は一切走っていません。再発はもうこりごりですので。”
10km 42′50″
21km 1:41′02″
フル 3:51′06″
 
本当は腰のレントゲンやCT・MRIを診てみないとなんとも言えない部分が多々あります。
そのことを念頭にご覧ください。
一つ一つ紐解いていきましょう。
 
まず何よりも一番に言えることは、ジョグのスピードがあまりにも速すぎることです。
この4:50/kmというジョグスピードはフルマラソンで約2時間53分で走る人のジョグペースです。
質問者さんのフルのタイムと約1時間の差があります。
これでは怪我のリスクがかなり高くなり、腰を痛める可能性が極端に上がってしまいます。
以前少しだけインスタグラムをした時にたくさんのランナーを拝見しましたが、みなさんとにかくジョグスピードがメチャクチャ速かったです。
だからみなさん怪我をしてました。
このことは少し前の記事でも書きました。
質問者さんの適正なジョグスピードは大体5:30〜6:10/kmくらいです。(このタイムの幅は10km・ハーフ・フルのタイムによって決まっているため)
遅く感じるかもしれませんが、これが適正なジョグスピードです。
ポイント練習でインターバルをされていますが、多分このインターバルのスピードも速過ぎると考えられます。
400mでのインターバルの設定タイムは96〜110秒です。
この設定タイムで適切なインタバールトレーニングをすることに意義があるのですが、多分質問者さんはこの設定タイムより速く走っていると思われます。
がむしゃらに速く走って練習をしている方の典型的パターンです。
一生懸命肺と心臓がはち切れんばかりの練習をするとなんだか速くなったような気がすると思います。
確かに短期間で速くなりますが、大概の方は怪我をします。
そして走ることをやめていく・・・という方をこれまで数多く見てきました。
サブ3をするような方でも普通に同じようにいます。
設定タイムを上回るスピードでの練習や体のケア・メンテナンスを怠り練習が思うようにいかず怪我に繋がります。
本当に多くの方がこんな感じです。
95%くらいのランナーがこんな感じだと思います。
走るってとても簡単なんですよね。
走ればいいだけですから。
他の競技の場合すぐに出来ません。
バスケットは、すぐにシュートは決まらないしドリブルさえ上手くできません。
ランニングはただ走ればいいだけですからすぐに誰でも出来てしまいます。
しかし、それが難しいのです。
 
質問者さんの3つのタイムから言えることは、スピードはあるけど持久力が足りないということです。
練習時間の確保がお仕事の都合上難しいものと思われます。
40代ということでお仕事を任されたり、責任ある立場にいらっしゃるのかもしれません。
あまり練習が出来ないためついついスピードを出して追い込んだ練習をされているのではないでしょうか。
焦る気持ちはわからないでもないですが、焦ってスピード練習をしたことにより腰に過度の負担がかかり痛めた可能性が高いです。
まずは、ジョグのスピードを落としてください。
そして、腰の痛みが落ち着くまでインターバルなどの高負荷の練習は避けましょう。
月に約100kmの練習であれば、週に25km前後の練習となります。
高負荷の練習は週の走行距離の8%に抑えなければならず、2kmの練習となります。
果たしてその距離の練習をすることで効率良く速くなるのでしょうか。
フルマラソンの練習をしているのに、2kmの距離では短すぎるとぼくは考えております。
フルマラソンを速くなりたいのか、10kmを速くなりたいのかがわかりませんが、今の練習内容は10kmのための練習です。
 
体幹トレーニングをしているとのことですが、これは誰かに教えてもらってしっかりと実施できていますでしょうか?
もし、本やインターネットで得た知識でやっているのであればやめた方が良いです。
はっきりと申し上げまして、時間の無駄です。
以前どこかの記事で書いたような気がしますが、体幹トレーニングは正確にやれなければあまり意味ありません。
実際、体幹トレーニングを始めてから何か変わりましたでしょうか?
実感出来ているのであればしっかりとご自身で出来ているのだと思いますが、自分一人で正確に実施することはほぼ不可能です。
そこに時間を使うのであれば、少しでも走行距離を伸ばすことを考えられた方が良いとぼくは思います。
 
”左脚深部に神経痛のような痛みが走り、寝返りを打てない感じです。”
深部というのが前なのか後ろなのかどの位置の深部なのかがわからないため、正確にお答えすることが出来ません。
また、実際触ってみないとわからないので「憶測」で書きます。
もし前側の深部であれば、腰からの筋肉の影響だと思います。
後ろ側の深部であれば、股関節周りの筋肉の影響だと思います。
もしかしたら座骨神経痛だったりしますし、どうしても正確にお答えできません。
言えることは、ケアをすることです。
ストレッチ程度ではもう無理な段階にきていると思います。
どこか信頼のおける治療院にて筋肉を揉みほぐす必要があります。
 
”ふくらはぎ、くるぶしあたりに常に鈍痛がある感じなんです。”
これがヘルニアの神経圧迫からくるものなのか、ジョグペースの問題からくるものなのか、ポイント練習の強度設定からくるものなのか判断できませんが、多分ヘルニアからの症状ではないと思います。
ヘルニアの場合、腰の骨から出てくる神経を圧迫しているのでその神経の走行にそって痛みが出ます。
となると、腰から足全体にかけて痛みや鈍痛などが出なければいけません。
そう考えるとやはり練習内容とケア・メンテナンス不足からくる問題ではないでしょうか。
走れるために練習しているつもりが、走れなくなるために練習している可能性が高いです。
 
”いまの状態でどのようなケアをすることが、回復への近道になるでしょうか。”
セルフケアには限界があります。
温泉に入る、ストレッチをする、物を使って筋肉をほぐすなどありますが、人の手に勝るものはありません。
上記しましたが、とにかく信頼できる治療院を探されてケア・メンテナンスをされた方が良いです。
確かにお金はかかりますが、ちゃんとしたところであればその金額を支払っただけのことはあります。
ケア・メンテナンスのプロは必ずどこかにいますので、お住いの近辺だけでなく車で1時間かかってでも行ける場所に行かれた方が後々の為になると確信を持ってお勧めいたします。
回復への近道はありません。
地道に一つ一つ自分の身体と向き合っていくことが大事です。
これはとても地道な作業ではありますが、今後ずっと走っていきたいと考えていらっしゃるのであれば、焦らず一歩一歩確実に前に進んでいきましょう。
それが何よりの近道です。
 
これはぼくの口癖でもありますし、何度もこのブログで書いている言葉を書いて終わりにいたします。
『走って痛めたものは、走って治す。』
矛盾しているようですが、実に的を得た言葉だと思っています。
BEICUNZYさんのランニング人生がこれから花咲きますことを心より祈っております。
今回はご質問ありがとうございました。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • こんにちは!
    気を悪くするだなんて、とんでもありません。自分の練習に矛盾があったことがよく実感できました。記載の通りで、5kmも早くなりたい、10kmも早くなりたい、ハーフも早くなりたい、勿論フルも、という感じで全て欲張ってきた結果でした。走れなくなるために練習していたというコトバが何より身に染みました。焦ることなく、人の手に勝るものはない、というコトバを信じて治療に専念し、必ず復帰したいと思います。アドバイスありがとうございました。

    • >>BEICUNZYさん
      こんにちは(*´ω`*)
      目標をしっかり見据え、そのための練習をすることが肝要だと思います。
      治療院は人が良いと勧められた院が必ず良いというわけではありません。
      治療の技術や知識を持っているのは当然として、その先にある自分とその人が合うか合わないかが大事です。
      いくつか探し回ることになると思いますが、必ずどこかにありますので是非見つけて下さい。

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