光どん日記85〜弱肉強食〜

２週間ほど前家族で健康の森公園に行きました。
ぼくは昔水泳のコーチのバイトをしていたので娘たちに水泳を教えます。
娘たちはスイミングに通っているのですが、習い始めは全然成長しませんでした。
成長しない理由は簡単で週に一回30分程度の練習で上達したらみんなオリンピック選手です。
なのでぼくが日曜日に教えることにしました。
それから娘たちは順調に成長し少しずつ泳げるようになってきてます。
努力したら上達するんだと子どもなりに身体でわかってきたのか練習を真面目にするようになりました。
姉妹でトライアスロンのオリンピック選手になる為に今から英才教育を施しております！
 
妻は特にすることもないので公園を散歩して気分転換をしてます。
泳ぎ終わって妻と合流するとキリギリスを捕まえてました。
話を聞くとどうやら娘の為に捕まえたとのことでした。
授業で虫の観察みたいなのがあるのだそうです。
ぼくも子供の頃はあらゆる虫を捕まえて遊んでいましたが、大人になると虫に触れなくなりました。
触れないわけではありませんが、触る時かなり勇気が必要になります。
カブトムシやクワガタムシでも勇気がいります。
妻が愉快にキリギリスを捕まえてる姿をイメージすると身震いしました。
あんな大きな虫をよく捕まえたな…。
そのキリギリスを家に持って帰り虫かごに入れて育てることになりました。
子どもたちはとても興味津々にキリギリスを観察していました。
名前を何になるかと思ったら畏れ多くも「てんのうへいか」が良いと言って二日ほどみんなで「へいか、へいか」と呼んでいましたがさすがにそれはまずいと言って名前を変更させました。
 
令和の元号に変わる際、子どもたちに天皇陛下の退位と即位をテレビの前で正座させて観せたのでそれで頭に残っていたのかもしれません。
 
二日ほど前に家に帰ると子どもたちが嬉しそうに「お父さんに見せたいものがあるの！」と言ってきました。
なんだろうと思い、キリギリスが入ってる虫かごの横に新たな虫かごがありました。
中を見ると大きなカエルがいました。
緑の小さなカエルだったらぼくも「お、可愛いな！大事に育てるんだよ！」と言えますがさすがに普通に大きな茶色のカエルだったので拒絶反応を示しました。
どうやってこんな大きなカエルを捕まえたのかと思ったら妻が捕まえたそうです。
少年の心を忘れない35歳の妻が楽しそうにカエルを捕まえてる姿を想像しただけで寒気がしました。
そこで思ったのは、カエルの横にキリギリスを置くというキリギリスにとって究極の拷問に等しいことをしている妻の弱肉強食教育の凄さでした。
カエルを捕まえた日からキリギリスは食べ物を食べなくなりみるみる痩せていきました。
これは可哀想だと思い、ぼくは子どもたちを説得して放すことにしました。
嬉しそうに飛び立つと思ったのですが、弱っていたのか解き放たれたことがわからないのかその場から特に動く気配はありませんでした。
 
今度はカエルの飼育が始まりました。
妻が子どもたちに言ってました。
『あなたたちが育てるカエルでしょ！ちゃんと育てなさいよ！』
自分で捕まえてきといてそれはないだろうと諭しましたが、一蹴されました。
『バッタを捕まえてカエルにあげなさい！カエルはバッタを食べるのよ！それを弱肉強食と言うのよ！食物連鎖なの！』
妻の弱肉強食教育が始まりました。
ぼくも負けないように頑張りたいと思います。