早いもので来週で立春ですので、これから段々暖かくなってくると思います。
今週はとんでもない寒さで、鹿児島でもかなりの雪が積もりました。
そんな雪が降り積もっている日曜日に30km走りました!
気持ちはロッキーでしたし、雪がヒョウに変わって顔に打ち付けてきても逆に意味不明に燃えて走ってました。
何度か転んだり、車にシャビシャビになった氷水をかけられたり散々でしたが走ってる自分が悪いので何とも言えません・・・。
これから暖かくなるとランニングがしやすくなってきます。
冬は寒くて外に出たくないという方が多かったと思いますが、これで言い訳ができなくなりますよ!
外に出て走りましょう!
Facebookにこんなコメントが書かれました。
『走ると脇腹が痛くなるから走りたくない。それがなければ走れるかも・・・。』
なるほど、脇腹が痛くならなければ走れるんですね!
それを期待して脇腹の痛みを解説していきます。
脇腹が痛くなるといってもいくつか種類がありますので一つ一つ紐解いていきましょう!
①右脇腹
②左脇腹
③腹部中央
④下腹部
⑤右前腹部(右肋骨と横隔膜の間)
大体この5つだと思います。
それぞれ解説していきますので、ご自分が痛くなる部位の番号の解説をご覧ください。
①右脇腹
多くのランナーがこの部位の痛みで困ります。
走り始めやスピードを上げて走った時に痛みが出やすいことで有名です。
人体の右側に肝臓があり、それが横隔膜とあたったり引っ張られたりして右脇腹に痛みがでます。
そもそも横隔膜がどうなってるのかよくわからないと思いますので、youtubeで見つけた動画で見てみましょう。
『え?こんななってるんだ!』
と思いませんか???
こんななってるんです。
この動画の横隔膜の右側下に肝臓はあります。
横隔膜のイメージが出来ると何となく発生機序がわかりやすいと思います。
②左脇腹
ランニングを始めたばかりの方や便秘気味の方が走ると痛くなりやすい部位です。
この部位には脾臓と大腸があります。
脾臓は血液の貯蔵庫でもありますが、運動時に血液を体内(主に筋肉)に送らなければならずギュッと収縮します。
その際に痛みが出てしまいます。
ですので、この急激な収縮を避けるために適度な準備運動をするようにしてください。
また、大腸が原因で痛む場合もあります。
この位置にある大腸は消化物やガスがたまりやすく、便秘の方が特に痛みやすいという特徴があります。
ランナーで便秘気味の方はあまりいらっしゃらないと思いますが、もしいらっしゃいましたら食生活を見直してください(ランナーの『食』についてはまた今度の機会に書きます)。
ランニングをある程度されてる方でここが痛む場合、心肺機能を鍛えることと、走る前のアップをするようにしましょう。
③腹部中央
胃が原因のことがほとんどです。
食事をしてから2時間以内に走ると痛みがでやすいです。
マラソン大会などの補給食は消化の良いものを食べるようにしましょう。
フルマラソンを3時間30分以内で走る方はある程度スピードを出して走るのでスタート3時間前までに必ず補食を終えておきましょう(「補給食」についてはまた記事で改めて書きます)。
④下腹部
直腸が原因のことがほとんどです。
便通が悪かったり下痢の場合痛くなりやすいので、便通を整えることが重要となります。
毎回この部位が痛む場合は普段の食事が関係しているので、食を見直しましょう。
⑤右前腹部(肋骨と横隔膜の間)
右脇腹とは違い、横というより肋骨のやや前側に痛みが出ます。
これもスピードを出して走ってる時に痛みが出やすいのが特徴です。
また、大会などの緊張で呼吸が浅くなっている時に痛みが出やすいのも特徴の一つです。
走り始めが痛くなり、走っていると段々痛みが引いてきますが後半また痛み出します。
腹部の痛みの中で一番厄介なものかもしれません。
対策として走る前の補食を考えてみましょう。
補食をした方が良いとネットや本で紹介されますが、それを一度疑ってみましょう。
3時間前にオニギリを3個は食べた方が良いと書かれていても、万人受けするものではありません。
ぼくは合わないことがわかりました。
これも自分の体で試行錯誤してたどり着いたものでしたが、理論的に考えてみました。
要はエネルギーとなる糖分を補えば良いんです。
オニギリや餅などのお腹に残りやすいものを食べなくてもある程度の糖分を取れば、走ってる途中でアクエリアスなどのエネルギー水を飲めば問題ありません。
これはフルマラソンを3時間30分前後以内で走る人に限られてくるとは思いますが、お腹が空いてもなんとか走りきれると思います。
一概に言えませんので、ご自分で色々試してみてください。
ぼくは、特性スムージーをスタートの3時間前から2時間前までにゆっくり飲むようにしています。
1時間前にアミノバイタルなどの粉末状のものを少しの水に溶かして飲んで準備完了としています。
走ってる時は10kmずつアクエリアス系のものを取るようにし、お腹が空いたと思ったら梅干しを食べると1個でも意外と満たしてくれます。
重ね重ね言いますが、これはぼくの例ですのでこれを読まれた方はご自分で色々試してください。
どこかに答えらしきものが見えてきますので、簡単に得れる情報に左右されないようにしましょう。
またフルマラソンを走る前に緊張を解くために100m×2を80%くらいの力でダッシュしても良いと思います。
これで体に
『今から動くよ!』
と合図がいき、痛みが出なくなる場合もあります。
参考までに試してみてください。
腹部痛の原因に関して比較的信憑性高い文献がありましたのでそちらを紹介します。
原因
・《胃の内容物の停滞》:食後1時間以内の激しい運動による側腹部痛の多くは、胃の内容物の停滞に起因しているといわれています。最大酸素摂取量(VO2Max)の75%以上の運動では、
内容物の停滞時間の延長は多くの研究で証明されています。
・《臓器の虚血状態》:激しいVO2Max75%以上の運動により、全身の血流分布の約70%は筋肉に流入し、したがって消化器、とくに胃腸管は血流低下が著明で、臓器の虚血状態となり、相対的に酸素不足となり腹痛が生じるといわれています。
・《牽引痛》:解剖学的に胃噴門部と幽門部はよく固定されていますが、他の部分は比較的ゆるやかであり、したがって、とくに胃の内容物が多い場合、食事直後の激しい運動により、胃腸が下方に牽引され、機械的刺激などにより、局所的な牽引痛となります。
・《ガス貯留》:急な食事、多量の水の摂取などにより、消化管にガス貯留の傾向が増強し、side stitch(腹部痛)となります。結腸の湾曲部は腸内ガスが貯留し易く、結腸の膨大、腸管内壁の圧迫刺激により脇腹痛が生ずるとされています。
・《横隔膜の痙攣》:激しい呼吸運動による胸郭運動などにより横隔膜を押し下げる動きと腹筋の緊張による横隔膜の挙上により、横隔膜の血行障害が生じ、横隔膜の筋肉痙攣が出現するとされています。
・《腹部狭心症》:脇腹痛とはやや異なりますが、巾高年の場合、激しい運動による腸間膜動脈の血行障害(50%以下になる)による腹部狭心症も稀であるが生ずる可能性があります。
・その他食物アレルギー、心理要因などがありますが、それぞれの原因が重なり生ずると思われます。
治療と予防
・運動前1~2時間は大量の食事摂取は控え、消化のよいものを選び、よく咀噌する習慣をつけ、胃腸の負担を軽減する必要があります。したがって脂肪食は要注意です。
・腸内ガスが発生し易い芋類、炭酸飲料などの大量摂取は控え、便秘予防のため野菜、果物の摂取がよいでしょう。
・胃下垂で胃の停滞時間の長い人は右横臥位で腸への移行がやや早くなるでしょう。
・腹筋の強化、血行改善のための腹筋のマッセージは胃腸機能を高めます。
・横隔膜痙攣によるものは、トレーニング(インターバル、ウェイトトレーニング)などにより予防が可能です。日頃のトレーニングが必要ですが、運動中にside
stitchが生じたら走行のスピードを落としたり、
深呼吸、腹部マッサージなどにより改善できます。
走ると脇腹が痛くなる!
目次
コメント