食とランニング(運動)について〜お米編〜

鹿児島もやっとで桜の開花宣言が出ました。
しかし、雨が降ったり最低気温が下がらないので桜が散るのも早いかもしれませんので見れるときに見てくださいね〜。
前回から引き続き食とランニングについて書きます。
今回は第2回の「米」についてです。
1回目の内容は下のリンクから飛んでください。
1:小麦
食の話の導入編として小麦の話を書きます。小麦とランニングがどう絡むか解説します。

2:米
少し踏み込んで日本人の基本とも言える米について書きます。意外と知ってるようで知らない米のことを書きながらランニングと絡めて解説します。

3:調味料

醤油・味噌・塩・砂糖・油これらの基本的な調味料の知られざる真実を書きます。これを知ったらあなたの体はグレードアップするでしょう。
4:どのような食事が良いのか
上の3つの話を踏まえて、ランナーにとってどんな食事が適しているのか書きます。これはもちろんランナーだけでなく、全日本人に言えることですので是非読んでいただきたいです。
 
今回も前回同様長文となりますが、食を考える上で大変重要なことですので興味がある方は是非お読みください。
ここまで踏み込んで書いた内容は他にはあまりないと思います。
それくらい自信を持って書きます。
ランニングとの関係性を書くことが難しいですが、絡めるだけ絡めて書こうと思います。
 

2,お米

 
日本人にとってお米は切っても切り離せない食べ物の一つです。
歴史を振り返ると縄文時代から稲作はされていたようです。
お米を巡っては昔からずっと様々な論争が行われてきました。
有名な話は、日清戦争・日露戦争の時甚大な被害をもたらした「脚気」ではないでしょうか。
当時、都市部では白米を食べることができたようでしたが、それ以外のほとんどの国民は玄米か3分付き米を食べていました。
白飯を食べることは一種のステータスで裕福な人か都市部の人しか食べれませんでした。
そんな中兵隊さんになれば白米が食べれるということでたくさんの若者が兵士になりました。
兵隊が集まったのは良かったのですが、兵隊たちの多くが脚気になり大問題となりました。
脚気の症状は、むくみが出たり足の神経が麻痺して歩行困難となります。
さらに症状が悪化すると足だけの症状ではなく、全身の倦怠感、無気力感、脱力感、意欲減退、眠気、浮腫、動悸、錯乱、逆上などの症状が出て立っていられず座り込み、何もする気になれずしまいには寝込んでしまいます。
とにかく何もする気も判断力もなくなり、意欲がわかず昼間からブラブラして仕事にならず、鬱状態となります。
脚気ウイルスがいるとか、色んな論争が起こりましたが結局は白米の食べ過ぎでビタミンB1不足によって引き起こされる神経障害とわかりました。
ビタミンB1の1日あたりの摂取量は年齢や性別、妊婦などで変わってきますが1,0〜1,4mgです。
米の種類(100g中)と含有量を書きます。
玄米 0,16mg
半つき米 0,08mg
7分付き米 0,06mg
白米 0,02mg

白米は玄米に比べビタミンB1は8分の1、半つき米の4分の1に減ります。
日本人はビタミンB1が不足しやすいと言われています。
ビタミンB1を昔はお米(主にぬか)や漬物から取っていたのですが、白米を食べるようになってから米からのビタミンB1摂取は微々たるものとなりました。
そのためビタミンB1不足を補うために栄養指導が入ったのが欧米食でした。
特に豚肉にビタミンB1は多く含まれます。
第二次世界大戦後、食は急速に欧米化します。
そこには様々な事情があります。
「アメリカの小麦戦略」で検索すると色々出てきますが、その内容を書くととんでもないことになるので省きます。
ところで上記した脚気の症状って現代人の多くが同じ症状になってると思いませんか???
もう一度書いてみます。
『全身の倦怠感、無気力感、脱力感、意欲減退、眠気、浮腫、動悸、錯乱、逆上などの症状が出て立っていられず座り込み、何もする気になれずしまいには寝込んでしまいます。』
これってまさに現代病じゃないですか!!
そうなんです、実は日本人の多くが脚気の一歩手前の状態なんです。
いつも食べている「白米」が原因の一つになっているのです!
アジア人の主食であり、美味しいと思って食べていた白米が実は色んな症状を引き起こしています。
もちろん、白米「だけ」が原因ではないということは書いておきます。
食の欧米化が進んだことでビタミンB1不足が解消されているようにみえますが、実は食の欧米化も様々な弊害を生んでいます。
そこをもう少し詳しく書いていきます。
 
そもそも欧米食は我々日本人に合っていると言えるのでしょうか???
戦後、欧米型栄養学導入により「欧米食こそ最高のものだ!」と言われるようになり、動物の肉や小麦食品、ミルク(乳製品を含む)を取るように勧められました。
しかし、それは「欧米人の栄養学」であり、「日本人の栄養学」ではなかったのです。
国によってそれぞれ食べられてきた食べ物があり、日本でいうと「和食」は見た目のものだけではないのです。
我々の体内にも「和」の文化があるのです。
体内和文化とは、米(主に玄米)、糠に付けられた野菜(いわゆるぬか漬け)、味噌汁、野菜類そしてたまに食べる魚、基本的に日本人はこれらを食べてきました。
これに大豆類や海藻類などを加えるだけで十分な栄養素になるのです。
宣教師のフランシスコ・ザビエルが種子島に渡来した時、日本人のあまりの粗食っぷりにびっくりしたそうです。
何より、粗食なのに屈強な身体の多さにも驚嘆したそうです。
家畜を食べず共に生活の中で生きていることに感銘を受けたとも言われています。
日本人は基本的にお祝い事の時に鶏か豚を食べるくらいでほとんど動物の肉を食べませんでした。
動物を食べなくても十分な栄養を取れていたので食べる必要がなかったのです。
それが戦後の欧米型栄養学導入により動物の肉、小麦食品、乳製品などをバランス良く食べることを勧めることになりました。
ヨーグルトを食べて腸内菌を取ろう、動物の肉を食べてタンパクを取ろう、小麦食品を取って栄養素を取ろう、などが言われ続けました。
しかし、日本人に元からある腸内菌は漬物や味噌などの発酵食品で取っていたし、蛋白質は魚や豆類から取っていたし、基本的な栄養素はお米(玄米)や味噌汁、野菜から取っていました。
戦後の食の欧米化により腸内バランスが急激に変わったことで明らかに変わったことがあります。
戦後と現在の日本人の死因を比べると1位の悪性新生物(いわゆるガン)、2位の心疾患が急激に増えました。
戦後欧米食が進められた時期と見事に重なります。
ここからは怖い話になりますので、覚悟してご覧ください。
1位の悪性新生物の内訳を見てみましょう。
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少し見にくいのですが、昭和30年から男女ともに肺、大腸、肝臓の悪性新生物は急激に増えています。
女性は乳がんも増えています。
高齢化に伴い悪性新生物の割合が増えたので悪性新生物の割合が増えるのは当然でしょう。
ここで年齢調整死亡率の表で再度確認してみましょう。(「年齢調整死亡率」は、高齢化など年齢構成の変化の影響を取り除いたものです。)
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年齢調整死亡率を見ると肝臓は減っていますが、やはり肺と大腸と乳房は明らかに増えています。
欧米食が大腸がんと関係があるのはよく言われてますが、なぜ肺がんがここまで増えているのでしょうか。
ぼくは色々調べていて驚愕の事実に辿り着きました。
女性より男性の方がタバコを吸う率は高いので男性の肺がんが高いのはわかります。
しかし、肺がん上昇は喫煙の有無だけでは説明がつかないのです。
タバコの喫煙率の票を見てみましょう。
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これもわかりにくいと思いますが、男性の喫煙率は昭和40年で82,3%に対し、平成26年は30,3%に激減しています。
女性は15,7%から9,8%に減りました。
これって不思議に思いませんか???
喫煙率が下がっているならタバコが主な原因と言われている肺がんの率は減らないとおかしくないですか???
しかし減るどころか急激に増えているではありませんか!!!

そこで肺がんの割合が高くなった原因は他にあるのではないかと仮定しました。
今回の食の記事の第一回目で小麦の話を書きましたが、その中で書いていない内容が頭をよぎりました。
小麦食品を食べると女性ホルモンであるエストロゲンというものが女性だけでなく男性もでるようになります。
このエストロゲンはおっぱいが大きくなるホルモンでもあるので、男性も小麦食品を多く食べている人は女性のようなおっぱいになっていると思います。
実はそのエストロゲンが肺がんの原因の一つと言われているのです!!!
これを知ったぼくはがく然としました。
なんてこった、タバコが原因と思っていた肺がんは実は食べ物が原因だったのではないでしょうか!?
もちろんこれが絶対ではないのでしょうが、データを見る限り明らかな事実だと思います。
大腸がんが多いのも前回の記事で書いた小麦食品による腸への攻撃が考えられます。
ということは、我々が今まさに食べている小麦食品は悪性新生物の主原因なのではないでしょうか。
これはしっかりと研究する必要があると思います。
お米の話なのにまた小麦になってしまいましたね。
お米の話に戻します。
そもそも「お米をとぐ」ということは何でするのかご存じでしょうか?
ぼくもこの勉強するまで知りませんでした。
少し説明します。
お米は籾(もみ)の下に玄米が入ってます。
その玄米は糠(ぬか)が酸化しないように薄くコーティングされている状態です。
8分付き、5分付き、3分付きというのは糠をどれだけ取り去ったかということです。
糠を完全に取った残りの部分は胚芽米になります。
胚芽の部分を取ってやっとで白米になります。
この糠というのは非常に酸化しやすいもので、精米したらなるべく早く食べないと酸化によって味がどんどん劣化していきます。
その酸化した糠を洗い流すこと「米をとぐ」ということなのです。
米をこよなく愛する日本人(当然ぼくを含めて)でもこんな基本的なことがわからないくらい、実はお米に関して無関心になっていたのだと思い知らされました。
玄米はとにかく栄養が豊富に含まれています。
上記しましたが、玄米と味噌と少しの野菜を食べれば十分栄養的には足ります。
これって宮沢賢治の「アメニモマケズ」の中でも書かれてますよね。
余談ですが、宮沢賢治のことも調べました。
彼はどうやら菜食主義者だったようです。
しかし、完璧な菜食主義者ではなく、たまに気が変わって肉食もしていたようです。
少し変わった思想の持ち主だったようです。
この食の勉強を始めてからぼくは小麦を断ち、玄米を食べてみることにしました。
一番驚いたことは、明らかに食事の量が減りました
白米だったら茶碗に2,5杯くらい食べていたのですが、玄米だと茶碗0,8杯くらいになりました。
玄米だとよく噛まないと飲み込めないためかなりの回数噛みました。
噛みすぎて2週間たったら咀嚼筋(こめかみにある側頭筋)が筋肉痛になりました。
あまりにも痛くて噛むのも困難になるくらいの筋肉痛でした。
それだけ咀嚼筋が弱っていたということに初めて気づきました。
その他の食事量も極端に減り、自分でも心配になるほど少食になりました。
しかし、食事量が減ることに反して体の調子はどんどん良くなっていきました。
走っていても力が出ないとか体力が落ちたという感覚は一切ありませんでした。
小麦を食べなくなったことと、食事量が減ったことで体重が1,5kgも痩せました。
一週間平均90km走って体脂肪も7%台のぼくが1,5kgも体重が落ちたのです。
通常の人たちであればどれだけ痩せることやら!
毎日アルコールも350mlの缶酎ハイを2本飲んでいても落ちました。
日を追うごとに頭がスッキリとし、集中力も思考能力も格段に上がりました。
そして小麦を断って2週間がたちパンを食べてみることにしました。
どうなったと思います???
見事に気分が悪くなったのです!
胃が気持ち悪くなりそれが四日ほど続きました。
そして頭にまたモヤがかかったように集中力・思考能力が落ちました。
頭のモヤは10日ほど取れませんでした。
自分でもびっくりしました。
これは実体験ですので科学的な話ではありませんが、ぼくもジョコビッチのようになりました。
皆さんも一度実験したほうが良いですよ。
ここで注意点があります。
玄米を勧めてますが、いきなり玄米はやめた方が良いです。
現代人の胃腸能力では中々分解することができません。
なぜなら、消化の簡単なものばかり食べて胃腸能力が確実に落ちています。
筋力と同じで胃腸もしっかり使わなければその能力は低下するのです。
汚い話になりますが、ぼくは玄米を食べてから自分の便を観察しました。
玄米が消化されてないのが目で見てわかりましたし、何より唇に出ました。
ぼくは患者さんを診る際筋肉だけでなく、目・鼻・顔色・唇・爪・脈など色々チェックします。
なので、自分の唇の変化にすぐ気付きました。
唇の変化は腸の様子や栄養状態がおかしいときに現れるので、やはり玄米の消化に問題があることがわかりました。
いきなり玄米ではなく、胚芽米や8分付きくらいのお米から食べた方が良いです。
そして徐々に自分の胃腸を鍛えていき、玄米に近付けた方が良いです。
上記しましたが、かなりの回数噛むので咀嚼筋がかなり鍛えられます。
女性で顎関節症が多いのもこの咀嚼筋の弱りが原因だということにも気付きました。
白米や小麦食などの柔らかい食べ物ばかり食べるため噛む筋肉が弱り顎の関節に影響を及ぼしているのです。
玄米を食べるまで、食べ物の内容が原因で顎関節症になるなんて想像もできませんでした。
これはすごい発見だと思います。
なぜ玄米が良いのかぼくなりの結論を書きます。
これは科学的な話ではありませんが、ぼくは信じていることです。
それは一つの食材を余すところなく全てを丸ごと頂くという「一物全体食」です。
米なら糠も胚芽もついた状態の玄米、野菜も葉から茎、根までその全体、魚も頭から尻尾まで骨も皮も含めて丸ごと食べられる程度の小魚をそっくり食べたとき、「一物全体食」となりバランスが取れた状態ではないでしょうか。
しかし、いきなり今の食を変えることはお勧めできません。
内臓は我々の気付かないうちに弱っていました。
そのことに気付く人がどれだけいるのでしょうか。
とりあえず小麦を2週間断って玄米を朝だけ食べてみてはいかがですか???
それだけで「何か」に気付くはずです。
ランニング(運動)は肉体的にも精神的にもいかにフラットな状態で挑めるか(中庸)が重要な鍵となります。
集中力を上げる必要もあります。
「食」を考えずに上のレベルに上がることは中々難しいでしょう。
マラソンや長距離(箱根駅伝に出ているアスリートも含む)の話ですが、トップランナーたちでも小麦食を普通に食べています。
今やアフリカ勢のランナーにほとんど占領されている状態です。
それは筋肉の質の問題なのでしょうか?
高地練習してるからなのでしょうか?
生い立ちの問題なのでしょうか?
ぼくはもっと基本的な当たり前のことが原因なのではないかと思ってます。
そうです、「食」です。
それに関しては全く調べてないのでもしかしたら見当違いのことかもしれませんが、無関係とは思えません。
マラソンで欧米の選手がほとんど出てこないのは、もしかしたら「食」が原因かもしれません。
そう考えるだけで新たな道が開けてくるのではないでしょうか。
マラソンだけでなく、全てのスポーツで言えることだと思います。
これを偶然見たアスリートの方は当たり前にある目の前のことを一度見直してみてはいかがでしょうか。
アスリートの方だけではありません。
運動をしていない一般的な方々は余計気にしなければならないと思います。
この記事をここまで見て頂いた方ならきっと考えていただけるはずです。
是非色んなことを考えてみてください。
この記事の内容も全て信じることなく、ご自分の解釈で翻訳してみてください。
人に任せることなく、まずは自分で考えることが大事だと思います。
 
次の記事は調味料について書きます。
これも皆さん知ってはいることが多いかもしれませんが、ぼくが勉強したことはもう少しその先の話になります。
また長くなるでしょうが、是非ご覧ください。
今回も超長文にお付合いありがとうございました。
 
 
今回の記事はこの本が元になっております。

 
とにかくこの本は面白いです。
日本人必読の本と言っても過言ではありません。
ぼくが今まで読んできた本の中でトップ1・2は不動のものでした。
その不動のトップ2がこの本に入れ替わりました!
それくらいオススメの本です。
多分この作者は司馬遼太郎作品がお好きなんだと思います。
本の展開がどことなく似てます。
タイトルからは想像もつかない面白い内容と展開ですので、是非読んでみてください。
特に男性好みの本だと思います。
 
ご拝読ありがとうざいました!
 

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