これを書き始めたのは4月の初めでしたが、諸諸の事情によりこんなに遅くなってしまいました。
桜が咲いていた頃に書いていたのに、今はもう梅雨の手前です。
移り行く季節のなんと早いことでしょう。
人生もこのように儚く過ぎていくことでしょうから、精一杯生きないともったいないですね!
今回は、食とランニング(運動)の最終章「食事編」です。
これまでのことを踏まえて、どんな食事がランニングには適しているのかを考えていきます。
長文になりますが、食やランニングに興味がある方は是非ご覧ください〜( ^ω^ )
前回までのリンク先を書いておきます。
もしまだ読まれてない方はどうぞご覧ください。
1:小麦
食の話の導入編として小麦の話を書きます。小麦とランニングがどう絡むか解説します。
2:米
少し踏み込んで日本人の基本とも言える米について書きます。意外と知ってるようで知らない米のことを書きながらランニングと絡めて解説します。
3:調味料
醤油・味噌・塩・砂糖・油これらの基本的な調味料の知られざる真実を書きます。これを知ったらあなたの体はグレードアップするでしょう。
4:どのような食事が良いのか
上の3つの話を踏まえて、ランナーにとってどんな食事が適しているのか書きます。これはもちろんランナーだけでなく、全日本人に言えることですので是非読んでいただきたいです。
4,食事
ランナーにとって一番良い食事を考えていきます。
ランナーが最も消費する栄養素はビタミンB1・鉄分があげられます。
他にもビタミンC・タンパク質・アミノ酸・クエン酸などがあります。
一つ一つ数字を元に紐解いて食事を作っていきましょう。
まずはビタミンB1から考えていきます。
ビタミンB1は糖質がエネルギーに変わるときに、必要な補酵素の役目をします。
今回の食ブログで詳しく書きましたが、ビタミンB1が不足すると、糖質を分解できず、乳酸やピルビン酸等の疲労物質がたまって疲れやすくなります。
食欲不振、倦怠感、手足のしびれ、むくみ、動悸等が見られます。
代表的な欠乏症は脚気でしたね。
思い出していただけたでしょうか?
疲労物質「乳酸」の生成を抑制するビタミンB1は、水溶性なので長い時間体内に留めておくことはできませんが、玉ねぎ・にんにく・ねぎ・にらといった食品と一緒に摂ることで、効果を持続することができます。
ビタミンB1を含む食材はこちらです。
食品100g当たりのビタミンB1の含有量 単位:mg
成人女子推奨量:1.1mg
成人男子推奨量:1.4mg
見て頂いたらわかりますが、豚肉・大豆・うなぎ・かつおぶし・海藻類・たらこ・木の実に多いです。
たらこは頻繁に食べるという意味では中々摂取できないのでここでは除いて考えます。
豚肉に一番多く含まれています。
特に豚のヒレ肉がかなり含まれてますが、豚肉の各部位でも多く含まれているため、豚肉を使った野菜炒めが良いでしょう。
大豆は醤油や味噌で使われてますし、直接食べたりもします。
うなぎは頻繁に食べられませんが、鰹節や昆布で味噌汁の出汁を取ったりしますし、味噌汁に海藻類を入れますよね。
そして、たまねぎ・にら・ねぎを味噌汁に入れたらビタミンB1の効果も持続します!。
ビタミンB1を取ろうと思ったら「味噌汁」が適しています。
しかも、しっかりと出汁から取って、大豆を使ったちゃんとした醤油と味噌を使い、豆腐と海藻類を入れた味噌汁は最高で最強のビタミンB1の補給食なのです。
あとは、海苔をご飯と一緒に食べたら抜群ですね。
次に鉄分です。
ランナーに多い貧血の原因は二つあると言われています。
鉄欠乏性貧血と溶血性貧血です。
簡単に書くと、鉄欠乏性貧血は汗をかいて汗から鉄分が排出されての貧血、溶血性貧血は赤血球がなんらかの影響で溶けてしまい貧血になるということです。
鉄欠乏性貧血については後述しますが、この溶血性貧血で意見があります。
よくランナーは「地面の接地の衝撃で赤血球の膜が壊される」から貧血になりやすいと言われます。
これって本当なのか???と思ってしまいます。
そもそもの溶血性貧血の定義が違うし、なんかイマイチ納得のいく文献もありませんでした。
もし走ってる時に赤血球が壊されていることが本当ならば、プロのランナーたちは月に600〜1000km程度走りますので、体から確実に赤血球がなくなっているはずです。
他にもサッカー、バレーボール、バスケットボール、剣道など、足裏に衝撃の強いスポーツに特に多いといわれています。
そもそも、なぜ赤血球が壊れるのが足裏だけなのでしょうか。
柔道は投げられた時ほぼ全身を強く畳に打ち付けられます。
より多くの赤血球が破壊されていないとおかしいはずです。
そもそも、赤血球ってそんなに弱いのか???って話ですよね。
ですので、ぼくはスポーツ選手の貧血は鉄欠乏性貧血がほとんどの原因だと今の所考えています。
少し鉄分のことを解説します。
食品100g当たりの鉄の含有量 単位:mg
成人男子推奨量: 7.5mg
成人女子推奨量:10.5mg
上の表でひじきの含有量がかなり多いですが、これは鉄鍋で煮た時に鉄鍋の鉄をひじきが吸収して鉄分を多く含まれるという表記です。
決してひじき単体で鉄分を多く含まれることはありませんので気をつけて下さい。
ひじきにはヒ素が含まれることで有名ですが、ヒ素とはいろいろな食品に少なからず含まれています。
ひじき以外の全ての海草類にもヒ素は存在します。
しかし、それらは大抵の場合有機ヒ素であり、身体に対する悪影響は無機ヒ素と比べて小さいのです。
一方で、ひじきは有毒性である無機ヒ素を多く含んでおり、長期的に摂取すればガンを発症する可能性があると報告されているので取りすぎには注意が必要です。
食品に含まれる鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。
ヘム鉄は肉や魚などに多く含まれており、吸収率が高く、動物性鉄分と言われています。
一方、非ヘム鉄は野菜や穀類や海藻類に多く含まれており、吸収率が低く、植物性鉄分と言われています。
体内への吸収率は、ヘム鉄が10~20%、非ヘム鉄が1~6%と断然ヘム鉄の方が高いですが、菜食中心の日本人が食事から摂取する鉄分は85%以上が非ヘム鉄と言われています。
非ヘム鉄は、ビタミンCやタンパク質と同時に摂取すると吸収率が上がります。
「吸収率が高いヘム鉄ばかりを多く摂ればいいんだ!」と思ってしまいますが、動物性食品の過剰摂取は赤ちゃんに良くないこともあります。
例えば、鉄分といえばレバーが代表格ですが、レバーには鉄分のほかにビタミンAが多量に含まれています。
過剰摂取すると骨密度の減少や皮膚障害を引き起こし、体の一部が奇形になるリスクが高まります。
それに比べて、植物由来の非ヘム鉄は、いくら食べても体に害がありません(ひじきには注意!)。
体内の鉄分はどのように消耗されるのか考察してみましょう。
体内の鉄分は、大半がヘモグロビンとして赤血球の中にあり、酸素を運搬する役目を果たしています。
鉄分は酸素を全身に運搬するときに絶対必要なもので、不足してしまうと貧血になったりします。
上記しましたように、赤血球が壊されるのではなく、赤血球の中の鉄分が不足して酸素をうまく全身に運搬できないことで貧血となるのです。
ここはお間違えのないよう覚えておいたほうがいいです。
では、鉄分は赤血球の運搬だけで消費されるのかというと、そうではありません。
運動をして汗をかいたときにも汗と一緒に体外に排出されてしまいます。
ここからはぼくの考えを書きます。
今マラソンはアフリカ勢の隆盛がとどまることを知りません。
生まれ持った環境?
高地に住んでるから?
体のつくりが違うから?
練習内容がいいから?
確かに、これらはあり得ることなのですが、ぼくが思うに暑い場所でのトレーニングが功を奏していると思います。
暑い場所でトレーニングや生活によって汗をかきずらくなることで、体内の栄養分が体外に排出されにくくなってるのではないでしょうか。
フルマラソンは汗をめちゃくちゃかきます。
もしかしたらスポーツの中で一番かくかもしれません。
その分体外に栄養素が排出されやすくなります。
その中には鉄分が含まれます(もちろん鉄分だけではありません)。
汗をかきにくい体質の人はマラソンが速いとはよく言われることですが、きっとこの理由からだとぼくは考えております。
なので、夏場は練習時間の短いスピードトレーニングをすることが一般的ですが、もしかしたら、夏場の暑いときにロングを走って暑さに強い体造りをするのもいいのかもしれません。
たかが鉄分の話でこんなにも長くなりました。
鉄分を補うにはどのような料理が良いかでしたね。
表から確認すると、煮干し・青魚・貝類・レバー・海藻類全般です。
なるべく頻繁に摂取しようと思うと、レバーはきついですね。
どうやらここでも味噌汁という結論に辿り着きました。
煮干しで出汁を取り、その煮干しも一緒に食べて、貝類を日替わりで適当に入れたりし、海藻類を適当にまぶせば良さそうです。
いや〜、味噌汁ってすごいですね!
次にビタミンCです。
ビタミンCは腱や靭帯などの成分となるコラーゲンの合成に関わるため、マラソンにおける故障予防に欠かすことのできない栄養素です。
またストレスの緩和や免疫力の向上などにも効果が期待できるため、レース前に風邪などの病気を予防し、万全のコンディションに持っていくためにはできるだけしっかり摂取しておきたい栄養素と言えます。
筋肉疲労による故障も防ぐという特徴もあります。
長い時間カラダに留めておくことができないため、毎食頻繁にたっぷりと摂取することが必要です。
ビタミンCには鉄の吸収を高める作用もあるため、貧血予防のためにも欠かせない栄養素と言えそうです。
ビタミンCは野菜や果物に多く含まれています。
食品100g当たりのビタミンCの含有量
成人男子目安量:100mg
成人女子目安量:100mg
代表的なのはレモンですね。
突出しているのが赤ピーマンです。
日本人にはあまり食べる機会がありませんが、店頭で販売されているときは購入してみてはいかがでしょうか。
漬物と海苔が意外と多く含まれているようです。
ビタミンCは多くとれば良いというわけではありません。
多量摂取してしまうと下痢・頻尿などになります。
また、2〜3時間で体外に排出されてしまうので、三度の食事で毎回摂取することをお勧めいたします。
ランナーには大敵である日焼けの際のシミの原因であるメラニン色素の合成を抑制する働きもあるので、ぜひ摂取を心がけましょう。
お勧めしたい食品は、レモンの蜂蜜漬けです。
レモンは上記の通りビタミンCを摂取できますし、蜂蜜は免疫力上昇の手助けをしてくれます。
作り方もかなり簡単で、レモンを綺麗に洗い、輪切りにしてあとは蜂蜜を入れるだけです。
これを朝と夜食べるだけで良いです。
ぜひ試してみてください。
次はタンパク質です。
タンパク質は筋肉・骨・血管・内臓など体のすべてに必要な栄養素です。
酵素・抗体・ほるもんの原料にもなり、タンパク質は人体の組成にとって必要なものです。
不足すると体力や免疫力が低下し、血管が細くなり脳卒中の危険が高まります。
また子供が不足すると成長障害などの影響がでるので、必ず取らなければなりません。
過剰に摂取すると、尿によって排出されるため、腎臓に負担がかかり腎機能障害を起こすことがあります。
また、タンパク質を分解する過程でカルシウムを消費してしまうため、過剰摂取を続けると骨粗鬆症のリスクが高くなります。
アメリカ人で骨粗鬆症が多い理由もタンパク質の摂取量が多いというのも原因の一つです。
筋肉の修復を図ろうと過剰にタンパク質の過剰摂取は控えましょう。
食品100g当たりのたんぱく質の含有量
成人男子推奨量:60g
成人女子推奨量:50g
タンパク質は肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品に多く含まれます。
木の実にも多く含まれていますが、スーパーで販売されているものは塩分を多量に含むため摂取の際は注意が必要です。
摂取するなら塩分無添加のものにしましょう。
タンパク質摂取で色々議論されています。
「肉からのタンパク質摂取はしない方が良い」といわれることがあります。
これについてはまたの機会とします。
これは書き出したらきりがなくなるますので・・・。
タンパク質の料理で有名なのは、鶏ササミ蒸しじゃないでしょうか。
肉も魚も大体タンパク質がたくさん含まれているので料理はなんでもいいと思います。
意外と海苔が多く含まれてますよね。
まぁそれだけの量を食べようと思うと大変ですけど。
スポーツをされてる方は一般人の摂取量より多めに取らないといけませんので、そこだけ気をつけましょう。
とりあえず、ビタミンB1・鉄分・ビタミンC・タンパク質を書いてきました。
これらの4つは長時間スポーツをする人たちにとって必須とも言えるものですので、詳しく書きました。
これらをまとめて、ランナーにとってどんな食事が良いのか書いていきます。(←やっとで?!)
簡潔に書くと、日本食が最強です。
玄米(以前も書きましたが、いきなりの玄米は避けましょう)、味噌汁(しっかり出汁を取ったもの)、
漬物(種類は問わず)、大豆食品、魚介類、海藻類、大体これくらいで十分です。
最近になって世界的に平均身長が大きくなってますが、あれは飽食によるものと思われます。
ですので、この日本食だけでなく、他にも適当に食べながらで結構です。
基本が日本食であれば栄養は十分取れるということを書きたかったのです。
本当はもっともっと詳しく書きたいところだったのですが、盲腸により執筆活動が途中で途絶えてしまい、やる気がなくなりました。
ですので、また適当に食に関しての記事をアップしていこうと思います。
約2ヶ月半に渡る食に関する記事でしたが、いかがだったでしょうか。
また食に関してのご質問がありましたら、ドシドシどうぞ!
お待ちしております〜( ^ω^ )
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